映像制作・動画制作のコラム
2022年8月5日 最終更新日:2025年11月28日
薬剤師(調剤薬局)の採用動画を公開するメリットは?活用方法や制作のコツも紹介

薬剤師(調剤薬局)の採用動画を制作・公開すれば、「非言語的な情報もわかりやすく伝えられる」「求職者自身が働くイメージを醸成できる」などのメリットを得られます。現在は調剤薬局の多くが人手不足に悩まされていることもあり、応募数の増加も期待できるでしょう。
しかし、制作する際は、採用動画の目的を明確にしたり、長くなりすぎないよう注意したりする必要があります。本記事では、薬剤師(調剤薬局)の採用動画を公開するメリットや活用方法、制作のコツについて解説します。
目次
調剤薬局は人手不足?薬剤師の採用状況に関するデータ

実は近年、薬剤師の有資格者の数が増え続けています。その一方で、多くの調剤薬局は人手不足に悩んでおり、少ない人数でお店をやりくりすることも珍しくありません。
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和6年2月分)について 参考統計表」によると、2024年2月時点での薬剤師の有効求人倍率は2.34倍(医師・歯科医師・獣医師を含む)とされています。
有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標です。
同時点における全職種の有効求人倍率は1.20倍であることから、薬剤師の有効求人倍率は高い数値を示しているのがわかります。薬剤師は、就職者・転職者にとって有利な売り手市場にあるといえるでしょう。
薬剤師の有資格者の数が増え、有効求人倍率も約2倍になっているにもかかわらず、調剤薬局の多くが人手不足に陥っているのが現状です。その理由としては、薬局の数が増えたこと、薬剤師の資格を有していても実際に薬剤師として働いていない潜在薬剤師が多いことが挙げられます。
薬剤師(調剤薬局)の採用動画を公開するメリットは?

現在は多くの調剤薬局やドラッグストアが採用動画を公開していますが、具体的には
以下のような効果があると言われています。
- ●短時間で伝えられる情報量が多い
- ●コンセプトや経営理念への共感を得やすい
- ●求職者に強い印象を与えられる
- ●会社概要や事業内容に対する理解を促進できる
- ●働くイメージを醸成できる
- ●採用のマッチング精度が向上する
- ●調剤薬局の認知度が向上する
- ●採用活動のコスト・工数を削減できる
ここでは、薬剤師(調剤薬局)の採用動画を公開するメリットを解説します。
短時間で伝えられる情報量が多い
静止画やテキストに比べ、動画は短時間で多くの情報を伝えられるという強みがあります。1分間の動画の場合、Webページ3,600ページ分、文字換算すると180万語の情報量があるといわれているほどです。
さらにアメリカの心理学者が提唱したメラビアンの法則によると、人とコミュニケーションをとる際に相手が受け取る情報は、以下のように視覚・聴覚から伝わるものが大半を占めています。
- ●視覚情報:55%
- ●聴覚情報:38%
- ●言語情報:7%
そのためテキストで長々と記載するよりも、動画にまとめたほうが効率的に情報を伝えられ、視覚と聴覚の両方に働きかけられます。短い動画が好まれる現代と相性が良いのもポイントです。
コンセプトや経営理念への共感を得やすい
調剤薬局は全国各地に設置されているものの、いずれも薬剤師(調剤薬局)の業務内容に大きな差異はありません。
求職者を惹きつけるには給与や待遇といった雇用条件の差別化が必要ですが、自社のコンセプトや経営理念などをアピールすることも大切です。
しかし、これらは抽象的なものが多く、文章を読んだだけでは本意が伝わりにくい傾向にあります。
一方で動画は情報量が多いことはもちろん、映像・音声・テキスト・イラストなど複数の要素を活用できます。コンセプトや経営理念のような抽象的・非言語的な情報を求職者にわかりやすく伝えられ、共感も得やすいでしょう。
求職者に強い印象を与えられる
感情的な訴求ができる分、求職者に強い印象を与えられるというメリットもあります。
採用動画は、先輩社員のインタビュー映像や1日の密着映像、座談会の映像などを入れ込むことができます。
表情や仕草、映像表現などの視覚情報と、声のトーンやBGMなどの聴覚情報をかけ合わせることにより、他社にはない、自社だからこその魅力を伝えられるのです。
薬剤師は現在、売り手市場にあり、あらゆる調剤薬局が求人を出しています。多くの選択肢から自社を選んでもらうためには、記憶に残るコンテンツを作成することが必要で、その際に活躍するのが採用動画です。
会社概要や事業内容に対する理解を促進できる
会社概要や事業内容といった情報はホームページ・採用ページから確認できます。ただ、求職者は学業や就職・転職活動で忙しい方が大半です。
企業側が特に伝えたい情報を見落とす可能性も十分あります。
しかし、これらの情報をまとめて採用動画として公開すれば、スマートフォンでいつでもどこでも確認できるようになります。多くの情報を効率的に伝えられるため、会社概要や事業内容への理解を促進しやすいでしょう。
現在は、動画を視聴する際に倍速再生を利用する方も少なくありません。あらかじめ倍速再生を視野に入れて動画を制作すれば、より多くのニーズに対応できます。
働くイメージを醸成できる
先輩社員のインタビュー映像や仕事の密着映像、社員同士が話している様子などを見せることで、求職者は「自分が働いたときのイメージ」をしやすくなります。
その際にポジティブな印象を与えられれば、応募の決め手となる可能性が高まるはずです。また、採用動画はリアルな職場の雰囲気や先輩社員の人柄も伝えられるため、テキストのみの求人を見たときよりも応募のハードルが下がるでしょう。
採用のマッチング精度が向上する
働くイメージを醸成できることにより、マッチング精度が向上するのも採用動画のメリットです。
一般的な求人は基本的にテキストと画像だけで企業情報を伝える必要があり、掲載先によっては文字数制限が設けられている場合もあります。
そのため求職者にとっては業務内容をイメージしにくく、入社前後で認識の相違が生まれるケースも多々あります。ミスマッチが起きると、採用にかけたコストや時間が無駄になってしまうでしょう。
しかし採用動画なら、企業コンセプトや職場の雰囲気といった非言語的な内容をわかりやすく伝えられます。テキストでは表現しきれない調剤薬局の情報を入れ込めるため、入社後に生じるミスマッチや早期退職を防げます。
調剤薬局の認知度が向上する
採用動画はホームページや求人サイトだけでなく、動画サイトやSNSでも公開できます。
動画内で有益な情報を伝えたり、動画を視聴者の心に刺さる魅力的な内容にしたりすれば、インターネット上で自然に拡散され、多くの求職者に自社の存在を知ってもらえるでしょう。
認知度の向上に比例して、求人応募がくる可能性も高まります。「転職活動はしていないが、より良い条件の職場が見つかれば転職したい」といった潜在的な求職者にもリーチでき、人手不足解消につながります。
採用活動のコスト・工数を削減できる
採用動画は、一度制作すれば何度でも使用できます。
自社を紹介するための資料として活用すれば、会社説明会や就職フェアのように会場を設営したり、求職者へ渡すための紙の資料を印刷したりする必要がなくなります。
その結果、採用活動で発生していたコスト・工数を削減でき、説明内容の統一も図れるでしょう。また、ミスマッチの予防も、コスト・工数の削減につながります。浮いたコスト・工数はほかの業務に費やせるため、採用動画は事業の発展にも寄与します。
薬剤師(調剤薬局)の採用動画の活用方法

採用動画をただ制作するだけでは、期待する効果は得られません。応募につなげるには、さまざまな媒体や場面で活用していくことが大切です。ここでは、薬剤師(調剤薬局)の採用動画の活用方法を5つ紹介します。
- ●採用ページに掲載する
- ●オンライン開催型イベントで配信をする
- ●現地開催型イベントで放映する
- ●YoutubeやSNSに投稿する
- ●スカウトメールに動画URLを掲載する
採用ページに掲載する
自社の採用ページにアクセスする方は、自社をすでに認知しており、かつ興味関心を抱いている可能性が高いはずです。
これらのファーストビュー(Webサイトを開いたときに一度もスクロールせずに表示される部分)に採用動画を掲載すれば、スムーズに事業内容を理解してもらえるでしょう。
採用ページを訪問するたびに視界に入るため、繰り返し見てもらえる可能性も高まります。
オンライン開催型イベントで配信する
近年では、オンライン上で会社説明会やセミナーを開催する企業が増えています。
そのイベントで採用動画を配信すれば、遠方に住んでいる求職者にも自社の情報を伝えることが可能です。
自社の存在自体を知らなかった方や求人をチェックしていなかった方も含めて訴求でき、求職者にとっては説明会の会場へ足を運ばなくても企業情報を得られるため、お互いにメリットのある方法といえます。
現地開催型イベントで放映する
オンライン上でイベントを開催する企業が増えているものの、今までどおり特定の会場を借りて会社説明会やセミナーを開催したり、就職フェアや商品展示会に参加したりする企業も少なくありません。
採用動画を会社説明会のオープニング・エンディングで流す、モニターを借りて放映するなど現地開催型イベントで活用すれば、自社への就職・転職を考えている方の記憶に残りやすいでしょう。
合同の会社説明会の場合は、自社のブースで放映しておくことで幅広い求職者の興味関心を引くことができます。
SNSに投稿する
SNS(X(旧Twitter)・Instagram・YouTubeなど)はユーザー数が非常に多いうえ、情報の拡散力やリアルタイム性に優れています。
情報発信媒体として有用であり、採用動画を投稿すればSNSを日頃から利用している幅広い年代・性別のユーザーに訴求できます。
より効果的に訴求したいなら、媒体ごとのユーザー層や強みを把握することも大切です。
例えば、若年層にアプローチしたいならTikTokやInstagramにショート動画を投稿し、長尺のインタビュー動画ならYouTubeに投稿するのがおすすめです。
スカウトメールに動画URLを掲載する
求人サイト・転職サイトでは、薬剤師志望の求職者に向けてスカウトメールを送付できます。
スカウトメールの大半はテキスト情報のみであり、定型文を送っている企業も多いため、深く読まずにスルーする方も少なくありません。
そこでスカウトメール内に採用動画のURLを掲載すると、他社との差別化を図れます。オリジナリティのある動画を制作・紹介すれば、より求職者の興味を引ける可能性が高いでしょう。加えて、返信率の向上にも結び付きます。
採用難易度の高い薬剤師に選ばれる採用動画とは

薬剤師になるためには、薬科大学や大学の薬学部で6年間の薬剤師養成課程を修了し、薬剤師国家試験に合格する必要があります。
そのため薬剤師は一般的な販売職などと比較すると、採用の難易度が高いという傾向があります。では、採用難易度の高い薬剤師に選んでもらうためにはどのような採用動画が効果的なのでしょうか。
最近では、薬局・ドラッグストア業界においても、他業界と同様に就職活動のオンライン化が一般的になりつつあります。
YouTubeチャンネルで見てみると、ドラッグストア業界においては特に採用が困難な要資格者の「薬剤師」に特化したコンテンツ制作をしている企業が多々見られます。
薬局には欠かせないにもかかわらず、なかなか採用が厳しい薬剤師に、どのように自社を選んでもらえるのか、他社との差別化という面において薬剤師に特化したYouTube採用チャンネルや採用動画の制作は有効な手段であると考えられます。
また、薬剤師から見たドラッグストア業界のイメージとして、
「365日営業している店舗では仕事量が多そう」
「調剤以外の業務が多岐にわたっていそう」
「休みをとるのが難しそう」
といったネガティブ要素も多く含まれているのが実際です。これらのマイナスイメージを払拭することも、採用動画制作の大きなポイントになると考えられます。
さらに、求人情報の文字だけでは伝わりにくい「どのような人が働いているのか」「職場の雰囲気は」といった部分を、動画で発信することでよりわかりやすく薬学生に伝えることも採用動画の役割として外せません。
そのほか、薬学部生にエントリーしてもらうための施策として、人事サイドからの視点を反映させた動画も有効であることが考えられます。
エントリーシートの書き方や、採用面接のポイント、エントリー開始案内など、就職活動のなかで有益な情報は薬学生にニーズがあります。
【調剤薬局必見】薬剤師向けの採用動画を制作するコツ

なかには「採用動画を制作したいが、どのような点に気を付ければいいのかわからない」と悩む方もいるでしょう。
具体的には、以下のようなポイントを意識することをおすすめします。
- ●ターゲット・ペルソナを設定する
- ●時間は3分程度にまとめる
- ●求職者目線で情報を伝える
採用動画の目的を明確にする
採用動画を制作する際は、採用活動の「どのフェーズで」「何のために使用するか」を明確にしたうえで作業を始めることが重要です。
「何となく良さそうだから」「流行っているから」といった理由で制作すると、採用動画の軸がブレてしまい十分な効果を得られない動画になる可能性があります。
また、「応募数を増やしたい」「優秀な人材を雇いたい」などの漠然とした目的は、採用動画の制作に反映しづらいため避けましょう。
例えば応募数を増やしたいなら、「なぜ応募数が少ないのか?→求人内容がわかりにくいorターゲットにリーチできていない」のように、目的に対するWHYを何度か繰り返しながら、制作の目的を見つけ出すのがおすすめです。
ターゲット・ペルソナを設定する
ターゲットを設定すれば、入れ込むべき情報や採用動画の方向性が見えやすくなります。例えば新卒をターゲットにする場合、若手薬剤師をメインにした動画にすると、入社後の自分の姿や職場の雰囲気がイメージしやすいでしょう。
ターゲットを絞り込んだあとは、ペルソナを設定します。ペルソナとは、マーケティング戦略の対象となる「架空の人物像」のことです。
ペルソナを設定する際は家族構成・趣味・よく利用しているSNS・悩みなど細かい部分まで決めていきます。ペルソナに響くような動画を制作すれば、類似する求職者からの応募増加が期待できます。
なお、ペルソナとターゲットは混同しやすいものですが、ターゲットは年齢・性別・職業などの属性で分類した「実在の集団」を指すため、まったくの別物です。
時間は3分程度にまとめる
採用動画の適切な長さは利用目的や掲載先などによって異なるものの、医療・ヘルスケア業界の採用動画は3分以上になっている傾向があります。
その理由としては、業務内容の専門性が高く、求職者に伝えるべき情報が多いためです。
しかし、一般的に採用動画は短いほうが好まれることから、基本は3分程度、長くても5分以内に収めるのが望ましいところでしょう。
求職者目線で情報を伝える
採用動画では、求職者が求めている情報を的確に伝えることが大切です。自社の強み・実績ばかりアピールしていても、求職者の興味を引くには足りません。
採用動画を最後まで見てもらえず、応募につながらない可能性もあります。業務内容や従業員の人柄、職場環境といった、求職者の求める情報を軸にした採用動画を制作しましょう。
また、インタビュー映像や1日の密着映像は、リアルな現場の様子を伝えられます。魅力的な部分だけでなく、業務上の課題といったネガティブな面も見せることで、入社後のミスマッチの予防につながります。
まとめ
薬剤師(調剤薬局)の採用動画は、抽象的・非言語的な情報をわかりやすく伝えられます。あらゆる場面で活用できるため、これまで自社の存在を知らなかった方にも訴求できる可能性があるでしょう。
ただし、効果的な採用動画を制作するには、ターゲット・ペルソナを設定したり求職者の求める情報を軸に据えたりしなければなりません。
短い動画が好まれるため、情報の要・不要の見極めも大切です。自社での制作が難しい場合は、外部の専門会社へ依頼することをおすすめします。
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下記記事では、採用動画の制作を検討している方向けに、採用動画の効果やメリット、活用する際のポイント、注意点などを解説しています。ぜひ併せてご覧ください。
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