映像制作・動画制作のコラム
2018年12月7日 最終更新日:2026年2月5日
動画制作に必須の絵コンテとは?絵コンテの作り方やポイントをわかりやすく解説

動画制作の設計図である「絵コンテ」は、プロジェクトの品質と進行を左右する重要な要素です。
この記事では、動画制作に絵コンテが不可欠な理由や具体的な作り方の3ステップ、制作を成功に導くためのポイントまでを網羅的に解説します。さらに、絵コンテ作成前に準備すべきことや便利な作成ツールまで、現場で役立つ情報も紹介します。
この記事を読み進めることで、絵コンテ作成の全体像を把握し、よりスムーズでクオリティの高い動画制作を実現できるでしょう。
目次
動画制作の絵コンテとは

絵コンテは「動画の設計図」であり、実際の制作に入る前に作成するのが一般的です。
絵コンテの役割は大きく2つあります。
1つ目は動画の内容を整理する役割です。ビジュアルイメージや尺、カット割りの数、ナレーションの有無など、動画の流れを具体的に可視化します。
2つ目は、制作内容を他者と共有するための役割です。動画制作ではすべてを一人で完結する場合もありますが、多くの場合はディレクションや撮影、編集、ナレーターなどの役割を分担して制作を進めます。そのなかで絵コンテが制作の指針となり、関係者間の認識を合わせる役割を果たします。
このように絵コンテは、動画の完成度を高めるうえで欠かせない重要なツールです。
動画制作現場で活きる絵コンテ活用術

動画制作の現場において、絵コンテは単なる設計図以上の役割を果たします。ここでは、撮影から編集までの各工程で役立つ、具体的な絵コンテの活用術を解説します。
コミュニケーションを円滑にする絵コンテの使い方
絵コンテは、監督やカメラマン、デザイナーなど、制作にかかわるすべてのスタッフが完成イメージを共有するための「共通言語」として機能します。
言葉だけでは伝えにくい映像のトーンやカメラワークといったニュアンスも視覚的に表現できるため、関係者間の認識のズレを未然に防ぐことが可能です。
その結果、撮影や編集の現場での手戻りや意思疎通のロスが減り、制作をスムーズに進められます。
クライアントとの認識ズレを防ぐ共有方法
クライアントとの打ち合わせで絵コンテを用いることで、完成イメージを視覚的に共有し、認識の齟齬を防ぐことが可能です。
抽象的な要望による「イメージと違う」といったトラブルを回避し、早い段階で具体的なフィードバックを引き出せることもメリットです。修正点が明確になるため手戻りが減り、結果として制作の品質も高まります。
撮影現場での絵コンテの具体的な活用例
撮影現場では、絵コンテが各スタッフの具体的な行動指針となります。どのシーンをどのようなアングルや構図で撮影するかが明示されているため、撮り漏れや無駄な撮影を防ぎ、効率的な進行を実現します。
また、必要な機材や人員の準備もスムーズになり、現場での判断を迅速化させる効果も期待できるでしょう。
編集作業での絵コンテの役割
編集作業では、絵コンテがカットのつながりや全体の流れを把握するガイドラインとなります。撮影された膨大な映像素材のなかから、どのカットをどの順番で、どのくらいの長さで使用するかを判断する際の指針になるのです。
これにより、当初の制作意図やストーリー構成を崩さずに編集を進められ、動画全体のクオリティと一貫性を確保できます。
動画制作の絵コンテ作成前に準備すること

動画制作の絵コンテはいきなり作り始めるのではなく、事前にしっかりと準備することが重要です。ここでは、事前に準備しておくことを4つ紹介します。
動画の目的とターゲットの明確化
動画制作においては、まず「何のために作るか」「誰に届けたいのか」を明確にすることが重要です。
例えば、目的が「新商品の認知度向上」なのか「既存顧客への活用法訴求」なのかによって、描くべき内容や表現は大きく変わります。
目的とターゲットが曖昧なままでは関係者間で認識にズレが生じ、訴求力の弱い動画になりかねません。
伝えたいメッセージの整理
動画で伝えたいメッセージは、できるだけ1つに絞り込むのが効果的です。
多くの情報を詰め込みすぎると、視聴者は結局「何が重要だったのか」を理解できず、印象に残りません。
最も伝えたい核心的なメッセージを1つに定めれば、ストーリーの軸が明確になり、絵コンテの構成やカット割りもスムーズに決定できます。
参考動画やイメージ資料の収集
完成形に近い動画や画像、イラストなどの参考資料を事前に集めることで、頭のなかにある抽象的なイメージを具体化できます。これらの資料は、映像のトーンや雰囲気、色使いといった言葉だけでは伝えきれないニュアンスを共有するのに有効です。
クライアントとの打ち合わせで活用すれば、完成イメージのズレを防ぎ、的確なフィードバックを引き出せるでしょう。
配信先やアスペクト比の確認
動画を配信する媒体によって、最適なアスペクト比(画面の縦横比)は異なります。
例えば、YouTube向けの横長動画(16:9)と、TikTok向けの縦長動画(9:16)では、見せ方や構図が大きく変わることは想像できるでしょう。
絵コンテの作成段階で配信先に合わせたフォーマットを意識しておくことで、納品後の仕上がりに近い形で構成を検討できます。
絵コンテ作成の流れ・作り方を3STEPで紹介
絵コンテの作り方は動画の目的や内容によって大きく変わります。ここでは、多くの制作現場で用いられる基本的な絵コンテ作成のプロセスを3STEPで解説します。
STEP1:文字の情報をまとめる
絵コンテを作成する際、まずは文字情報やナレーション、セリフの原稿をまとめます。文字の情報を並べて全体の流れをざっくり構成することで、シーンごとに必要な大まかな尺を把握することができます。
STEP2:カット割りを決める
原稿を作ったあとは、細かいカット割りを決めていきます。カット割りとは、シーンごとの構図、シーンとシーンのつなぎのことです。このときに、重要なカットを先に決め、つながりを埋めるようなイメージで全体を進めていきます。
STEP3:カットごとのビジュアルイメージを作成する
文字情報とカット割りで全体の流れができたら、カットごとのビジュアルイメージを追加していきます。ラフ画を手で描いても良いですが、画像イメージなどの素材の切り貼りでイメージを固めていくこともできます。
絵コンテを見た人への伝わりやすさを重視してカットごとのビジュアルイメージを作成し、絵コンテを完成させましょう。
動画制作の絵コンテ作成における3つのポイント
絵コンテは、完成する動画のクオリティに大きく影響します。以下では、絵コンテを作るポイントを3つご紹介します。

1. いきなり描き始めてはいけない
絵コンテを作成する場合、作り出したい場面のイメージを描くことから始めることが常です。
しかし、いきなり絵として描き始めるのではなく、頭のなかで構成を練り、前後の構図など配慮しながら絵コンテとしてアウトプットしていくことをおすすめします。
絵を描くことから始めるとどうしても絵にしやすいアングルができあがるので、まずは頭のなかで全体の動きを考えながら絵コンテを構成していくのがポイントです。
2. 重要な場面から作っていく
基本は各シーンで最も重要な場面を絵にしていきます。その後、それぞれの場面をつなぐシーンなどの必要な要素を足していきます。
絵コンテの目的は内容を共有することであるため、マンガのような画力は必要ありません。演者やカメラマンなどへの伝わりやすさを重視します。
役者さんに依頼する場合、その役者さんを通して「最も伝えたいことは何か」を最初に考えましょう。それを伝えるためにはどの角度から撮影するのが良いか、などを頭のなかで組み立てていき、それから絵コンテとして形にします。
また、ワンシーンのなかで大きくカメラが移動する場合は「どのアングルからスタートするのか」「最も重要なところはどこか」「終わりはどのアングルか」などを絵コンテにすると、よりわかりやすく仕上がるでしょう。
3. 細かくし過ぎない
絵コンテをしっかり作ることは重要ですが、内容を細かく詰め込みすぎないこともまた大切です。実写の撮影の場合、天候による影響や現場で良い提案が生まれてアドリブが入るなど、絵コンテとは状況が異なります。
その際に、絵コンテの段階で細かな表現まで指定しないほうがスムーズに進行することも多々あります。
また、アニメーションの場合でも作画担当者やモーションデザイナーの世界観や持ち味を引き出すために、絵コンテの段階である種の余白を持つことも重要です。絵コンテに縛られすぎなくても良い、ということを意識して制作を進めていきましょう。
動画制作の絵コンテ作成で注意すべき点
効果的な絵コンテを作成するには、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここでは、代表的な3つの注意点を紹介します。
メッセージの詰め込みすぎに注意
1本の動画に多くの情報を盛り込みすぎると、視聴者にとって焦点がぼやけ、結果的に「何が言いたい動画なのか」が伝わらなくなってしまいます。
絵コンテの段階で伝えたいメッセージをしっかりと絞り込み、各シーンがその主軸から外れないように構成することが重要です。
メッセージが整理されているほど映像全体の印象がクリアになり、より効果的で記憶に残る動画へと仕上げられます。
絵のクオリティより「伝わる」ことを重視する
絵コンテはあくまで動画の設計図なため、必ずしも絵が上手である必要はありません。
棒人間や簡単な図形であっても、登場人物の動きやカメラのアングル、画面構成などが伝われば十分です。
わざわざ時間をかけて細部まで描き込むよりも、制作意図を正しく伝えることを優先したほうが、プロジェクトを円滑に進行させるうえで効果的です。
動画の尺や構成のバランス
動画のテンポや完成度を左右するのが、全体の尺や構成のバランスです。
絵コンテの段階で、カットごとのおおよその秒数を記載し、全体の尺が予定を大幅に超えないように管理しましょう。
事前に各シーンの時間配分を設定しておくことで、撮影や編集時の迷いを防ぎ、テンポ良く一貫性のある動画に仕上げられます。
動画制作の絵コンテ作成に役立つツール
絵コンテは、手描きだけでなくさまざまなデジタルツールを活用して作成できます。ここでは、無料・有料の代表的なツールを、目的や予算に応じて選べるようにご紹介していきます。
- ● Canva(無料)
- ● Storyboarder(無料)
- ● Krita(無料)
- ● Storyboard Pro(有料)
- ● Adobe Photoshop(有料)
- ● Clip Studio Paint(有料)
- ● Excel/PowerPoint(有料)
Canva(無料)
Canvaはオンラインで利用できるグラフィックデザインツールで、絵コンテ用の豊富なテンプレートが用意されています。
デザインの専門知識がなくても、ドラッグ&ドロップの直感的な操作で、写真やイラスト素材を自由に配置してクオリティの高い絵コンテを作成することが可能です。スマートフォンやタブレットからでも利用でき、撮影現場での確認や修正もスムーズに行なえます。
Storyboarder(無料)
Storyboarderは、無料で利用できる絵コンテ作成に特化したオープンソースのソフトウェアです。シンプルなインターフェースで、カットごとの描画、セリフやアクション、カメラワークといった指示を簡単に入力できます。
タイムライン機能も備わっており、各カットの秒数を設定して、動画全体の流れやテンポを視覚的に確認しながら制作を進めることが可能です。
Krita(無料)
Kritaは、イラストレーションやマンガ制作向けの機能を豊富に備えた、オープンソースのペイントソフトです。無料でありながら、多彩なブラシやレイヤー機能、手ブレ補正といった描画機能が充実しています。
そのため、手描きのニュアンスを活かした、表現力豊かな絵コンテを作成したい場合に適しています。
Storyboard Pro(有料)
Storyboard Proは、アニメーションや映像制作のプロフェッショナル向けに開発された絵コンテ作成ソフトです。
2D・3Dの描画機能や高度なカメラワーク設定、音声の取り込みにも対応し、絵コンテからVコンテ(ビデオコンテ)までを一貫して制作できます。チームでの共同編集機能も充実しており、大規模なプロジェクトやリモートワーク環境での制作に強みを発揮します。
Adobe Photoshop(有料)
プロのクリエイターに広く使われている画像編集ソフトのAdobe Photoshopも、絵コンテ作成に活用できます。描画や画像加工機能が非常に高機能なため、写真やイラストを組み合わせて、より完成イメージに近いリアルな絵コンテを作成することが可能です。
テンプレートを自作したり、配布されているものを活用したりすることで、効率的に作業を進められます。
Clip Studio Paint(有料)
Clip Studio Paintは、イラストやマンガ、アニメーション制作用のソフトで、絵コンテ作成にも多くのクリエイターが利用しています。豊富なブラシツールによる自然な描き心地や、複数ページを管理できる機能が特徴です。
また、タイムライン機能を使えば、簡単なアニメーションを作成して動きを確認することもでき、映像の流れをより具体的に整理できます。
Excel/PowerPoint(有料)
身近なオフィスソフトであるExcelやPowerPointも、絵コンテ作成ツールとして手軽に活用できます。Excelは、カット番号や映像内容、セリフ、尺といった項目を表形式で整理しやすく、プロジェクト全体の情報を一覧で管理するのに便利です。
一方、PowerPointはスライドを1カットに見立て、画像やテキストをドラッグ&ドロップで配置するだけで、視覚的にわかりやすい絵コンテが作成できます。
動画制作の絵コンテ作成Q&A
最後に、動画制作における絵コンテ作成で多くの方が抱く疑問点とその回答をQ&A形式で紹介します。
Q.なぜ絵コンテが必要になる?
絵コンテは動画の完成イメージを関係者間で共有するための設計図であり、制作を円滑に進めるためにも不可欠です。撮影や編集の現場での手戻りや認識のズレを防ぐ役割を果たします。
Q.絵コンテを作成するタイミングは?
絵コンテは動画制作の企画段階で作成するのが一般的です。動画の目的、ターゲット、伝えたいメッセージ、そして配信する媒体といった基本方針が固まったあと、シナリオや構成表をもとに作成を開始します。
Q.絵コンテと構成表の違いは?
構成表は、動画全体の流れを時系列に沿って文章で記述したもので、おもにセリフやナレーション、テロップの内容などがまとめられています。
一方、絵コンテは構成表の内容をもとに、各シーンの構図やカメラアングル、登場人物の動きなどをイラストで視覚的に表現したものです。つまり、構成表が「脚本」であるのに対し、絵コンテは「動画の設計図」という関係性になります。
Q.絵が苦手でも大丈夫?
問題ありません。絵コンテで重要なことは、絵の上手さよりも「制作意図が関係者に伝わること」です。登場人物の配置や動き、カメラワークなどが理解できれば良いため、棒人間や簡単な図形を用いたシンプルなイラストでも十分に役割を果たします。
まとめ
動画制作の設計図である絵コンテは、制作の工程に欠かせないものです。しかし、あくまでも制作チーム内やクライアントと情報を共有するためのツールであることを忘れてはいけません。
この記事で紹介した作成時の注意点やツールをもとにわかりやすい絵コンテ作りを心がけ、ぜひ動画制作に活かしてください。もしも、絵コンテ作成だけでなく、動画制作全般にお悩みの場合はShibuya Movieにご相談ください。
Shibuya Movieでは絵コンテの作成ノウハウ、そして映像制作のノウハウを持っています。
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