映像制作・動画制作のコラム
2024年1月15日
【2024年版】採用動画を制作する効果やメリットを最新の事例やトレンドをもとに解説
採用動画は、求職者に企業へ興味を持ってもらう「入り口」として大きな効果が期待できます。より多くの情報を伝えることができる動画を用いることで、企業イメージを印象付け、企業への理解を深めることにも効果的です。
以上のような理由から、昨今は採用動画に力を入れる企業が増えてきています。
しかし、初めて採用動画を制作する場合、効果やメリット、最近のトレンドなどがわからず、思うように導入が進まないケースもあるのではないでしょうか。
そこで本記事では、採用動画の導入を考え始めている方向けに、採用動画の効果やメリット・デメリットを解説します。採用動画制作のフローや効果的な活用方法、参考となる事例にも触れているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
採用動画を作成する目的とは
採用動画とは、企業が仕事内容や職場の様子など採用活動にかかわるさまざまなトピックを発信するための動画コンテンツです。おもに求職者に対し、企業への理解を深めてもらう用途で使用されています。
これまでの採用活動といえば、誌面に求人広告を出したり、説明会を開催したりするなどが主流でした。
しかし現在では、YouTubeをはじめとする動画プラットフォームの普及などを背景に、動画は私たちの生活の一部となり、採用動画は企業の採用活動に必須といわれています。
採用活動に動画を用いることで、言葉や写真だけでは伝えきれない企業の魅力や目指したい姿、求める人材など多岐にわたり紹介できます。
また、これまで採用にかかっていた費用を抑えながら一度に多くの学生にアピールできるのが採用動画の大きな魅力です。
採用動画の5つの効果
採用活動において採用動画は強力なツールと考えられますが、採用動画を通して実際に期待できる効果としてはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは代表的な5つの効果をご紹介します。
企業の魅力・情報を確実に伝えられる
動画というメディアは、文章や画像などのメディアと比べると、音声や視覚が合わさり、より立体的で大きな情報量を持っています。動画ならではの特性を活かした採用動画では、テキストや写真だけでは伝わりにくい企業のコンセプトやオフィスの雰囲気などの詳細な情報を求職者にしっかり伝えることができます。
記憶に残る
動画は静止画に比べて2倍近く記憶に残りやすいといわれています。学習定着率を表すラーニングピラミッドにおいても、動画視聴は受動的なセミナーの約4倍、パンフレットなどの文章の約2倍の学習定着率があるとされています。記憶に残りやすい動画媒体を用いて他企業との差別化を図ることは、必須ともいえるでしょう。
企業と求職者のミスマッチを防ぐ
社風やオフィスの雰囲気は、求職者が企業を選ぶ際に特に重視するポイントです。動画を通して実際の雰囲気を伝えることで、価値観に合う人材に出会える確率が高くなり、入社後のミスマッチ防止につながります。つまり、採用動画は求職者側にとってもメリットのある採用ツールだといえます。
採用活動にかかる工数の削減
会社説明会などでたびたび語られる企業の説明やコンセプトを含め、採用動画を利用すると、プレゼンの回数や人事担当者の負荷を軽減できます。これにより、採用活動を効率化させる効果が期待できるでしょう。
社内メンバーへの認知
企業によっては、自社の採用状況を他部署では把握していないといったケースがあります。採用動画を公開することで、自社の求める人材をすべての社員が知ることができるため、組織の活性化につながるでしょう。
また、ともに働くメンバーや新入社員の存在を意識することで、既存業務に対するモチベーションアップも期待できます。
採用動画を制作するメリット
続いて、採用動画を制作するメリットをご紹介します。
文章だけでは伝えられない「雰囲気」を伝え、印象を残す
求職者が就職先を決める理由の上位には、オフィスの雰囲気や社風、人間関係など、働きやすい環境であることがつねに挙げられています。企業としても就業環境の良さをアピールしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
実際に働いている社員の表情や、オフィスの雰囲気を動画で見せることができれば、文章では伝えきれない「雰囲気」をリアルに伝えられます。
求職者が企業で働く具体的なイメージをつかみやすい
実際に働く先輩社員のインタビューや、オフィスでの様子などを採用動画で発信することで、求職者がその企業で働く具体的なイメージを浮かべやすくなります。求職者が自身の働く姿に具体的なイメージを持つことはモチベーションアップにもつながるため、企業側と求職者のどちらにとっても良い結果を生みやすくなると言えます。
企業が求める人材とのマッチング率が上がる
採用動画の制作にあたり、企業は求める人材(ターゲット)を設定するため、現状を分析しどういった求職者に興味を持って欲しいのかフォーカスする機会を得ます。また求職者は、動画を見て興味と合致しているかを見極めやすくなります。
採用動画で実際のオフィスの様子などをあらかじめ伝えることで、求職者が就業したあとに、「思っていたのと違う……」と感じる状況を防ぐことができ、企業と求職者のマッチング率の向上につながります。
全国各地、場所も時間も問わず見てもらうことができる
採用情報はインターネットで探すことが一般的になってきています。インターネットを介せば、場所や時間を問わず採用情報の受発信ができるので、企業と求職者双方にとって効率的といえます。
採用率の向上
採用動画の公開で、自社の求める人材をより明確化することができます。コンセプトやターゲットを絞った動画制作により、採用率の向上や、優秀な人材の獲得につながるでしょう。
また、求職者が企業の採用動画を視聴することで、認知度が上がり、応募者の増加にもつながります。
組織改革などで多くの新入社員を獲得したい、多部署で幅広い人材を募集したいといった場合も、採用動画の活用で効率よく採用活動を進められるはずです。
採用動画を制作するデメリット
メリットを中心にお伝えしてきましたが、デメリットにも触れておきましょう。
動画制作にはコストと時間がかかる
採用動画制作のデメリットとしてとらえられがちなのは、やはりコストの面です。クオリティーの高い映像を制作しようとすると、どうしても機材や人員、そして時間が必要になりますので、それなりにコストがかかります。しかし、例えば企画や撮影は企業内で行ない、編集だけ制作会社に頼むなど、予算ベースでフレキシブルに制作していくことも可能です。時間についても、どこに力を入れるか(何に時間を費やすか)を明確にしてスケジューリングすれば、むしろ紙媒体のパンフレットなどよりも早く制作できる場合もあります。
紙などの資料と異なり、情報が手元に残りにくい
詳細な情報を見返そうと思ったときに、すぐに手元の資料で確認できないのは動画のデメリットです。しかし動画内にリンクを乗せるなど、インタラクティブな方法も活用し、動画と詳細情報をワンセットにしていくことで、こちらのデメリットは回避できるのではないでしょうか。
興味を引く映像でなければ見てもらいにくい
現代人の多くは、オンラインでの動画視聴に慣れているため、興味のない動画はどんどんスキップしたり、視聴をやめたりする判断が早くなっていると考えられます。
対象が採用動画であっても、興味のない動画として認識されると見てもらいにくい点がデメリットといえます。
採用動画を制作するフロー
採用動画を実際に作る場合、以下のような流れで制作が進められます。
コンセプトの決定
↓
構成の作成
↓
撮影・編集
↓
動画の公開
各ステップの具体的な内容を、ポイントと併せて見ていきましょう。
コンセプトの決定
動画のコンセプトを決定するうえで大切なのが、ペルソナ設定です。採用したい人材はどのような人なのか、ターゲットとなる人物像を詳細に設定していきましょう。ペルソナ設定では、性別や年齢、趣味といった大まかな要素だけでなく、ライフスタイルやその人を取り巻く環境なども含めた具体的な設定が大切です。
また、コンセプトの計画段階から制作スケジュールや予算を組んでおき、制作に支障が出ないようにしましょう。制作スケジュールに関しては、制作に携わるメンバー全員に共有しておくことが大切です。
特に、公開日を採用シーズンに間に合わせる必要があるなど、ズラせない完成期日があるのであれば、関係各所に期日が厳守である背景や、期日に対する温度感を伝えておきます。
予算に関しては、自社で撮影・編集・公開までを行なうことでコストダウンを図れます。ただし、ノウハウが自社になければ、制作会社に依頼した動画と比べてクオリティが大きく下がってしまうでしょう。
時間と人員を多く費やしたものの、期待した効果が得られない結果となっては本末転倒です。自社で制作する場合は、本当に達成したいことが実現できるのか十分な検討が必要です。
動画の構成の作成
コンセプトが完成したら、動画の構成を作成します。
制作会社へ採用動画の依頼をする場合、この段階で外注先を選び、制作会社への発注準備を進めましょう。
発注後は、担当者との打ち合わせを通して、事前に計画したコンセプトをもとに動画の構成を固めていきます。
構成の作成では、伝えたい魅力やアピールポイントを残しつつ、不要な情報はできる限りカットすることでメッセージ性のある内容にまとまっていきます。
以下の記事では、動画・映像制作会社の選び方を詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
<関連記事>
動画・映像制作会社の選び方を徹底解説
動画の撮影・編集
作成した動画の構成に合わせて、撮影・編集を行ないます。
制作会社へ依頼する場合は、撮影のスケジューリングが行なわれます。撮影当日は計画表などに沿って段取り良く撮影が進められます。
自分たちで撮影を行なう場合は、撮影時間が大幅に延びてしまう可能性もあるため、余裕を持ってスケジュールを組んでおきましょう。
撮影時間は、30秒の動画シーンを撮影するだけでも、大体半日~1日程度の時間がかかります。
また、編集作業もプロの制作会社であればスムーズに作業できますが、素人の場合は多くの時間が必要です。修正箇所が見つかっても対処方法がすぐにわからないなど、スムーズにいかないケースがほとんどです。
社内に動画編集の経験者がいない場合は、外注に任せることも検討しておきましょう。
動画の公開
YouTubeやSNS、自社ホームページなどで実際に作成した動画を公開します。
公開するプラットフォーム合わせて動画の長さを変えたり、説明文を加えたりすることで、各プラットフォームに適した投稿となるようにしましょう。一般的に、YouTubeではフルムービー、SNSなどではショートムービーといったように尺を変えた動画を使い分けて公開します。
近年では、就職・転職に向けた情報収集をSNSで行なう人も多く、SNSでの公開は避けては通れません。必要に応じて自社アカウントや採用アカウントを作成し、動画投稿と運用を行なっていきましょう。
採用動画をより効果的に活用するポイント
続いて、制作した採用動画を効果的に活用するためのポイントについて解説します。
1.採用活動全体を通して活用する
採用活動の一部分として採用動画を使用するのではなく、採用活動全体に組み込むことがポイントです。つまり、企業の認知度向上から企業説明、面接から内定後の案内までの各段階に合わせて動画でアプローチするということです。
アプローチの内容は、求職者の視点で、各段階に適した配信方法を考慮し選択していきましょう。企業説明から内定までの各段階において、求職者の状況をイメージして最適なコンテンツを発信することで、採用活動全体をスムーズに行ないながらコスト削減にもつながります。
2.コンセプトを貫く
コンセプトとは、動画の「方針」のことです。動画を作りはじめてから運用するまで、目標の達成を一貫して目指すにあたり、明確な方針は重要な役割を担います。動画を作る工程は企画から撮影、編集とわかれますが、コンセプトが定まっていないと制作者間で方向性がブレてしまう、あるいは方向性を見失ってしまう可能性があるため、コンセプトの設定は非常に重要です。
採用動画全体を通して訴求するコンセプトを一貫させ、求職者と直接かかわる面接担当者のみでなく、企業全体でコンセプトを共有することが大切です。
3.最適な動画共有プラットフォームを選択する
コンセプトとは動画の「方針」です。動画を作りはじめてから運用するまで、目標の達成を一貫して目指すにあたり、明確な方針は重要な役割を担います。動画を作る工程は企画から撮影、編集とわかれますが、コンセプトが定まっていないと制作者間で方向性がブレてしまう、あるいは方向性を見失ってしまう可能性があるため、コンセプトの設定は非常に重要です。採用動画全体を通して訴求するコンセプトを一貫させること、そして、求職者と面接などで直接関わる担当者のみならず、企業全体でコンセプトを共有することが大切です。
採用動画は求職者に見られることで初めて効果を発揮するため、まずは多くの求職者に動画を見てもらうことが大切です。そのため、採用動画を配信する方法や媒体については、ターゲットとなる求職者に見てもらいやすいもの、求職者が集まりやすい場所などを考慮して柔軟に選択する必要があります。
採用動画を配信するには次のような媒体・方法が考えられます。
・企業説明会での上映
・自社サイトへの掲載
・総合採用サイトへの掲載
・YouTubeでの配信
・各種SNSでの配信
レバレジーズが行なったアンケート調査によると、新卒者の約6割がYouTubeで採用動画を視聴したことがあると回答しています。また、採用動画の視聴により約7割の志望度が上昇したという結果も出ています。
データ参照元:就職活動におけるスマートフォンの活用と採用動画視聴に関する調査(2021年版)
求職者がよく利用するSNSには、LINE、Twitter、YouTubeが挙げられており、それぞれのSNSで企業アカウントを立ち上げて動画を投稿するなどの取り組みが効果的です。
また、企業のホームページや企業説明会も割合が高く、これらの場で採用動画を活用することで大きな効果が期待できます。
4.SNSを最大限活用する
「ソーシャルリクルーティング」と呼ばれるSNSを活用した採用活動は、デジタルネイティブであるZ世代にリーチしやすいので、近年多くの企業が力を入れています。
採用の主要ターゲットであるZ世代は、子供の頃からインターネットやスマートフォンに親しんでおり、日常生活ではスマートフォンを頻繁に利用します。そしてこの世代の特徴として、何か情報を検索するときにはWeb検索よりも“SNSで調べる”行動が顕著になっています。その背景としては、公式な情報よりも身近なユーザーやインフルエンサーなどのリアルな声を信頼する傾向があるのです。
採用情報についてもSNSで「おもしろいことをしている企業がある」「あの企業の公式動画がエモい」といった、企業の本当の姿が垣間見えるような情報を見つけ、おもしろければ気軽に拡散します。
つまり企業が発信する表面的なキラキラした情報よりも、生の声を集めたい気持ちが強くあるので、SNSやインフルエンサーを最大限活用することがポイントといえます。
最新の採用動画事例4選
実際に公開されている採用動画の中から、注目すべき動画を4つご紹介します。
株式会社竹徳様の事例
制作期間:1ヵ月
映像時間:3分30秒
ターゲット:学生
社員インタビューを通じて、リアルな業務内容や企業が求める人物像を伝えている事例です。ダイナミックな建設現場映像を組み込み、建設業の壮大な世界観や、変革・挑戦といったメッセージが伝わる内容となっています。
株式会社三木森様の事例
制作期間:1ヵ月
映像時間:3分1秒
ターゲット:求職者
単なる会社紹介ではなく、企業理念や独自に取り組む事業の紹介も行なっている事例です。社内の風景を織り交ぜながら、企業の姿勢やビジョンがわかりやすくまとめられており、求職者が企業理解を深めやすい内容になっています。
株式会社fuzz様の事例
制作期間:1ヵ月
映像時間:1分12秒
ターゲット:求職者、学生
ターゲットを絞り込み、求める人材を明確に伝えている事例です。視聴者から憧れや共感を得られるような工夫をちりばめ、独自のアピールポイントを含めることで競合他社との差別化を図っています。
株式会社マグナムメイドサービス様の事例
制作期間:1ヵ月
映像時間:5分00秒
ターゲット:求職者
実際に働く社員インタビューを用いたインタラクティブ動画の事例です。属性の異なる3人の社員から、視聴者が興味のある人を選んで視聴できるため、企業の存在や映像の内容が記憶に残りやすくなります。
また、視聴者が選択したデータは企業側で収集・分析できるため、結果を今後の採用活動へ活かすことが可能です。
トレンドでもあるインタラクティブ動画もおすすめです
動画のおもしろさやインパクトの強さ、そして求職者個々のニーズに寄り添えるという点でも注目を集めているのがインタラクティブな採用動画です。
視聴者が能動的に動画に介入し、さまざまな選択肢を選んでいくことで動画はその人の個人的なストーリーとなるため、視聴者のモチベーションアップにつながります。
実際に制作・公開したインタラクティブな採用動画の事例として、タカノ株式会社様の採用動画を見ていきましょう。
求職者が知りたい情報を選びながら視聴でき、また視聴者のうち何名応募ページに遷移したかなどの具体的な成果も把握できます。
まとめ
インターネットやSNSを用いた情報収集がベースの現代において、採用動画の活用は多くのメリットが得られる手法です。幅広い層に視聴してもらうことで、企業の認知度向上にもつながります。さらに、制作・公開まで、一度のコストで毎年多くの求職者を集められる点も大きな利点です。
採用動画の制作では、求める人物像を明確にしたストレートな訴求を行なうことで、マッチング率の向上や、採用率の向上が期待できます。
制作には時間や費用などのコストが発生しますが、効果を発揮できれば高い費用対効果を望めます。
Shibuya Movieでは、ご希望に応じて、最適なプランニングをさせていただきます。採用動画だけでなく、採用サイトや採用パンフレットなど、採用活動を効果的に進めるために不可欠なメディアの制作も併せて行なっております。お客様の採用課題や求める人材に合わせてコンセプト提案から制作・運用まで一貫して対応が可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。
初めての映像制作の方にも、ご不安なくご利用いただけるよう制作の流れやご活用方法まで、
丁寧にご案内させていただきます。お客様の映像制作のゴールを達成するため、
企画~撮影、完成まで専任チームが伴走いたします。