映像制作・動画制作のコラム
2021年6月8日 最終更新日:2026年5月19日
コンセプト動画の作り方|目的・ターゲット設計から発注・納品までの流れを解説

本記事では、まずコンセプト動画の基本的な考え方や役割を整理したうえで、目的・ターゲット設計から制作会社への発注、撮影・編集・納品までの流れを4つのステップに分けて解説します。
あわせて、伝わるコンセプト動画を作るためのポイントや、費用相場、実際の制作事例も紹介します。
この記事でわかること
・コンセプト動画の基本的な考え方と役割
・動画制作会社に依頼する際の進め方と注意点
・伝わるコンセプト動画を作るためのポイント
・制作費用の目安と具体的な事例
目次
知っておきたいコンセプト動画の基本

コンセプト動画とは、企業理念や商品・サービスの価値観など、「目に見えない概念」を伝えるための動画です。
このような特徴を持つコンセプト動画は、さまざまな目的で活用されています。まずは、制作によって得られるメリットや活用シーンから見ていきましょう。
コンセプト動画を作成するメリット
コンセプト動画を制作することで、文章や静止画だけでは伝えにくい価値を、視覚的かつ感覚的に届けることができます。主なメリットとして、以下の点が挙げられます。
・ブランドの存在意義や理念など、抽象的な概念を伝えられる
・表現の幅が広がり、他社との差別化がしやすくなる
・視聴者の共感を得やすく、信頼感の醸成につながる
・複数の媒体で活用でき、費用対効果を高められる
たとえば、企業理念やブランドの世界観といった「目に見えない価値」も、ストーリーや映像演出を通じて理解してもらいやすくなります。また、音楽や映像表現を工夫することで印象に残りやすくなり、競合との差別化にも効果的です。
制作したコンセプト動画は、自社サイトをはじめ、有料広告、YouTubeチャンネル、SNSなど複数の媒体で展開できます。
同じ動画を用途に応じて使い分けることで、情報発信の効率や費用対効果を高められる点も大きなメリットです。
コンセプト動画の活用シーン
コンセプト動画は、目的や届けたい相手に応じて、さまざまなシーンで活用されています。具体的には、次のような事例が挙げられます。
■商品・サービスの立ち上げ
新商品や新サービスの背景にある想いや開発ストーリーを伝えることで、機能説明だけでは伝えきれない価値を訴求できます。ブランドの世界観をあらかじめ共有することで、理解や共感を得やすくします。
■採用活動
企業理念や働く人の想い、社風を映像で伝えることで、求職者にリアルなイメージを持ってもらえます。ミスマッチ防止や、共感度の高い応募者の獲得にも効果的です。
■ブランディング
企業やブランドの存在意義をストーリーとして表現することで、長期的なブランド価値の向上につながります。周年動画やコーポレートサイトのメインビジュアルとして活用されるケースも多く見られます。
■IR・対外向け発信
企業の方向性や考え方をわかりやすく伝える手段として、投資家向け説明や対外発信に用いられることもあります。数値や資料だけでは伝わりにくいメッセージを補完できます。
こちらの記事も参考にしてみてください。
【4STEPで解説】コンセプト動画の作り方

ここからは、動画制作会社に依頼してコンセプト動画を制作する際の一般的な流れを、4つのステップに分けて解説します。
STEP1|動画制作の目的・ターゲットを明確にする
コンセプト動画を制作会社に依頼する前に、まず自社内で動画制作の目的とターゲットを明確にしておきましょう。
この工程を曖昧なまま進めてしまうと、完成後に「イメージと違う」「何を伝えたい動画なのかわからない」といったズレが生じやすくなります。
目的やターゲットが整理されていると、
・どのようなメッセージを伝えるべきか
・トーンや世界観をどうするか
・実写・アニメーションなど、表現方法をどう選ぶか
といった点を具体的にイメージしやすくなり、制作会社とのコミュニケーションもスムーズになります。
あわせて、この段階で「おおよその予算感や納期、配信予定の媒体(Webサイト・SNS・広告など)」を決めておくのもおすすめです。条件が明確であるほど、制作会社から現実的で的確な提案を受けやすくなります。
STEP2|動画制作の依頼先を決定する
STEP1で整理した動画制作の目的・ターゲット・予算・納期をもとに、依頼する動画制作会社を選定します。
この段階では「有名だから」「価格が安いから」といった理由だけで決めるのではなく、目的に合った制作パートナーかどうかを見極めることが大切。
依頼先を検討する際は、以下のようなポイントを基準に比較すると判断しやすくなります。
・コンセプト動画の実績があり、得意分野が明確か
・目的や課題を理解したうえで提案してくれるか
・見積もりやスケジュールが明確か
・担当者の対応が誠実で、相談しやすいか
・納品後の修正・フォロー体制が整っているか
すべての項目を満たしている必要はありませんが、目的に直結するポイントが複数当てはまる制作会社を選ぶとよいでしょう。
あわせて、簡単な動画構成案や概算見積もりを出してもらうのもおすすめです。複数社から提案を受けることで、費用感や表現の方向性を比較しやすくなり、自社に合った制作会社を選びやすくなります。
動画制作会社の選び方については、以下の記事も参考にしてみてください。
STEP3|動画制作会社と打ち合わせ
依頼先が決まったら、契約を結んだうえで具体的な打ち合わせを行います。この工程では、制作会社からの提案をもとに、動画の企画や構成、表現の方向性をすり合わせていきます。
コンセプト動画の場合、商品やサービスの情報を網羅的に伝えるのではなく、どの価値や想いにフォーカスするかを決めることに重点をおく必要があります。
「何を伝えるか」だけでなく、「あえて何を伝えないか」という視点も含めて、制作会社と認識をそろえていきます。
また、視聴者にどのような印象や感情を持ってもらいたいのかを言語化し、世界観やトーンとして共有しておくことも欠かせません。
こうしたすり合わせを行ったうえで、予算やスケジュールを踏まえながら、実現可能な内容へと落とし込んでいきます。
STEP4|撮影・編集・納品
企画や構成が固まったら、その内容をもとに撮影を行います。撮影方法は、実写・アニメーション・モーショングラフィックスなどによって異なり、必要な日数や工程も大きく変わります。事前に決めたスケジュールに沿って、無理のない進行を心がけましょう。
撮影した映像素材は、編集工程でテロップやナレーション、音楽などを加え、動画として仕上げていきます。
コンセプト動画の場合は、情報を詰め込みすぎず、全体のトーンや世界観が一貫しているかを意識しながら編集を進めることがポイントです。
編集が完了すると、動画制作会社から試写データが共有されます。内容を確認し、表現や構成に違和感がないかをチェックしたうえで、必要に応じて修正を依頼します。最終調整を経て、問題がなければ納品となります。
コンセプト動画制作にかかる費用相場
コンセプト動画を制作する際の費用は、動画の内容や表現方法によって大きく異なります。ここでは、予算別に一般的な製作内容を紹介します。
● 数十万円程度
社員などを起用したインタビュー形式の動画は、構成が比較的シンプルなため、費用を抑えやすい傾向があります。また、インタビューを用いず、ナレーションと映像を中心に構成したシンプルな企業コンセプト動画も、導入しやすい価格帯といえるでしょう。
【Shibuya Movie制作事例/名東クリーン防水株式会社様】
● 30万〜50万円程度
アニメーション動画の場合は、企画立案に加えてイラスト制作や動きの設計などの工程が必要となるため、この価格帯が一般的な相場となります。内容やクオリティによっては、さらに費用がかかるケースもあります。
【Shibuya Movie制作事例/株式会社ルミネージ様】
● 100万〜200万円程度
ストーリー性のあるドラマ仕立ての動画や、撮影規模の大きいコンセプト動画では、キャストの手配や撮影日数、編集工程が増えるため、この程度の予算を想定しておく必要があります。
【Shibuya Movie制作事例/石坂産業株式会社様】
そのほか、芸能人のキャスティングやドローン撮影を行う場合など、映像のクオリティを高めるほど人件費や機材費が加算され、制作費用も高くなる傾向にあります。
コンセプト動画は、目的や伝えたい内容によって最適な表現方法が異なります。あらかじめ目的や予算感を制作会社に伝えたうえで相談することで、自社に合った制作プランを検討しやすくなります。
伝わるコンセプト動画を作るポイント

ここでは、コンセプト動画を制作する際に押さえておきたいポイントを紹介します。企画段階から意識しておくことで、より「伝わる」コンセプト動画に仕上げることができるようになります。
コンセプトはシンプルに
コンセプト動画でよくある失敗のひとつが、1本の動画に伝えたいことを詰め込みすぎてしまうことです。
情報量が多くなるほど、視聴者にとっては要点が分かりにくくなり、結果として印象に残らない動画になってしまいます。
コンセプト動画で大切なのは、「すべてを伝える」のではなく、最も伝えたい価値や想いをひとつに絞ることです。メッセージをシンプルにすることで、動画全体のストーリーや世界観に一貫性が生まれ、視聴者の共感を得やすくなります。
シブヤムービーでは、打ち合わせの段階でヒアリングを行い、
「この動画を通して何を伝えたいのか」
「視聴者にどのような印象を持ってもらいたいのか」
といった点を言語化できるようサポートしています。
そのうえで、伝えたい要素を整理し、あえて盛り込まない情報を決めることで、軸のぶれないコンセプト動画へと落とし込んでいきます。
動画ならではの表現力を活かす
動画には、テキストや静止画では伝えきれない表現の幅があります。動きのある映像や音楽、間の取り方などを通して、空気感や世界観、感情のニュアンスまで含めて伝えられる点が、動画ならではの強みです。
たとえば、企業理念を伝えるコンセプト動画では、言葉で説明を重ねるよりも、働く人の所作や表情、職場の雰囲気、音楽のトーンといった要素を組み合わせることで、その企業らしさを感覚的に理解してもらいやすくなります。
こうした表現力を活かすためには、映像の構図や色使い、音楽やナレーションなどに一貫性を持たせ、視覚と聴覚の両面からメッセージを伝えることが重要です。
敢えて言葉で説明しようとせず、映像や音に委ねる余白を残すことで、視聴者の想像を促し、より深い共感につながります。また、動画全体のテンポや構成にも工夫を加え、メリハリのある展開を意識することも欠かせません。
動画制作に役立つ資料を用意しておく
動画制作会社に外注する場合、企業情報や訴求したい内容に関する資料を事前に用意しておくことが、スムーズな進行と完成度の向上につながります。
口頭での説明だけでは伝えきれない情報も、資料として共有することで認識のズレを防ぎやすくなります。
具体的には、次のような資料があると制作がスムーズです。
・企業概要や事業内容が分かる資料
・ブランドコンセプトや企業理念をまとめた資料
・商品・サービスの特徴、強みが整理された資料
・想定しているターゲットや利用シーンの情報
・参考にしたい動画や、イメージに近い事例
このように、伝えたい内容の背景や前提条件を共有できる資料があるほど、制作意図に沿った提案を受けやすくなり、修正回数の削減や制作期間の短縮にもつながります。
また、「まだ言葉にしきれていない」「整理しきれていない」という段階でも問題ありません。
資料をもとに制作会社と対話を重ねることで、コンセプトを具体化していくこともできるでしょう。
コンセプト動画事例3選
ここからは、Shibuya Movieで実際に制作したコンセプト動画の事例を紹介します。それぞれの動画が、どのような目的で制作され、どんな点を意識して表現されたのかを見ていくことで、コンセプト動画の具体的なイメージを掴んでいただけるはずです。
コンセプトの考え方や表現の工夫など、これまで解説してきたポイントが、実際の動画ではどのように活かされているのかにも注目しながらご覧ください。
Dr.医療ボディクリニック様/新規開設のクリニック紹介映像
■制作背景
新規開設にあたり、クリニックの認知向上とともに、どのような想いで医療サービスを提供しているのかを伝えることを軸にコンセプト設計しました。
■狙い
医療分野という特性上、信頼感や安心感を損なわずに、クリニックならではの特徴を分かりやすく発信することが制作の狙いです。
■表現のポイント
本動画では、単なる施設紹介にとどまらず、クリニックの考え方や姿勢が自然に伝わることを重視。初めてクリニックを知る視聴者にも安心感を持ってもらえるよう、過度な演出は避けつつ、丁寧で誠実な印象を与える構成を目指しました。
映像全体は落ち着いたトーンでまとめ、清潔感のある空間や実際の様子を映し出すことで、来院後のイメージがしやすい構成としています。また、言葉による説明を最小限に抑え、映像そのものからクリニックの雰囲気や信頼感が伝わるよう工夫しています。
新規開設のクリニック紹介として、安心感と専門性の両立を意識したコンセプト動画となっています。
ベルリッツ・ジャパン株式会社様/言いたいこと、ありますよね?篇
■制作背景
語学学習に対する悩みや不安は、多くの人が抱えている一方で、なかなか言葉にしづらいものでもあります。そうした受講者側の本音や葛藤に寄り添いながら、ベルリッツの姿勢や価値を伝えることを目的に、本動画のコンセプトを設計しました。
■狙い
本動画では、サービス内容を直接的に説明するのではなく、視聴者の気持ちに共感することを入口とし、ベルリッツ・ジャパンの考え方や存在意義が自然に伝わることを狙っています。
「言いたいこと、ありますよね?」という問いかけを通じて、視聴者自身の経験と重ね合わせながら見てもらえる構成を目指しています。
■表現のポイント
動画全体を通して、メッセージ性を重視した構成とし、言葉選びや間の取り方によって、視聴者の感情に訴えかける演出を取り入れています。また、説明的になりすぎないよう情報量をあえて絞り、共感を軸にブランドの姿勢が伝わるコンセプト動画として仕上げました。
サービス紹介でありながらも、視聴者の内面に語りかけるような表現を用いることで、ベルリッツ・ジャパンならではの価値を印象づける事例となっています。
株式会社伸光製作所様/企業紹介映像
■制作背景
企業紹介映像の制作にあたり、伸光製作所様の高い技術力を最優先で伝えたいという明確なコンセプトのもと、他社との差別化につながる「精度の高さ」や「ものづくりの強み」が伝わるよう制作されました。
■狙い
本動画では単なる企業紹介にとどまらず、製品や加工技術そのものの精度・品質を映像のクオリティで表現することが狙いです。
■表現のポイント
高度な技術力を一番にアピールするため、マクロレンズを使用し、加工精度の高さが伝わるカットを意識的に取り入れている点が大きな特徴です。
また、無機質になりがちな工場撮影においても、色味や光の扱いにこだわり、全体をシネマチックなトーンと音楽で統一しています。
技術力を主軸に据えながら、視認性や印象面にも配慮したコンセプト動画となっています。
コンセプト動画に関するよくある質問
Qコンセプト動画とは何ですか?
コンセプト動画とは、企業やブランドの価値観・理念・世界観を伝えることを目的とした動画です。商品説明よりも「想い」や「姿勢」を重視し、共感を生む表現が特徴です。
Qコンセプト動画と企業紹介動画の違いは?
コンセプト動画は感情や共感に訴える動画、企業紹介動画は情報を分かりやすく伝える動画です。前者はブランディング向け、後者は理解促進向けという違いがあります。
Qコンセプト動画の相場はいくら?
相場は数十万円〜数百万円以上です。
構成がシンプルなものは数十万円台から制作可能で、演出や撮影規模が大きくなるほど費用は上がります。
まとめ
コンセプト動画は、何を伝えたいのかを整理し、伝える内容を絞ることで、より印象に残る映像にすることができます。
映像や音といった動画ならではの表現を活かすことで、言葉だけでは伝えきれない想いや雰囲気を届けることができる一方で、コンセプトが漠然としていたり、どこにフォーカスすべきか迷ってしまうことも少なくありません。
そのような場合は、企画やコンセプト設計の段階から相談できる制作会社と進めることで、伝えたい価値を整理しやすくなります。Shibuya Movieでは、ヒアリングを通して想いや背景を言語化しながら、目的に合ったコンセプト動画の制作をサポートしています。まずはお気軽にお問い合わせください。
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