映像制作・動画制作のコラム
2021年6月4日 最終更新日:2026年2月13日
動画作成のカット割りとは?飽きない動画の作り方、基本7種と5つのコツも解説

動画を「最後まで見てもらう」ために欠かせないのが、カット割りの工夫です。
SNSやWeb広告の普及で、短尺でも飽きさせない動画が求められる今、カット数や構成次第で視聴者の印象は大きく変わります。テンポの良い編集は、ブランドの魅力を引き出し、記憶に残る映像体験を生み出します。
本コラムでは、動画制作を成功させたい方に向けて、以下のポイントをわかりやすく解説します。
このコラムの見どころは3つ!
- ●カット割りの基本と役割
- ●飽きない動画を作る「基本7種のカット」
- ●失敗しないための「5つの重要な注意点」
さらに、記事の後半では事例を交えた実践テクニックも紹介しています。動画のクオリティを一段上げたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
動画作成における「カット割り」とは?「見やすさ」と「視聴維持率」を高める基本

動画制作におけるカット割りの基本的な意味と目的、関連する専門用語についておさらいしていきましょう。まずは3つの観点から詳しく解説していきます。
1. カット割りとは?
カット割りとは、撮影した複数の映像(ショット)を意図に合わせてつなぎ合わせる編集作業のことです。どの順番で、どの長さで映像をつなぐかによって、動画のテンポや印象は大きく変わります。適切なカット割りが行われた動画は、ストーリーの流れが自然で視聴者にとって理解しやすく、「最後まで見てもらえる動画」につながります。
逆に不自然なカット割りは、
- ●唐突な場面転換
- ●冗長で間延びした展開
- ●ストレスを感じる映像テンポ
などが発生し、視聴離脱の原因になってしまいます。
2. カット割りの目的を理解する
カット割りには、視聴者にとって見やすい映像を作り、情報を伝えやすくするための重要な目的があります。
ここでは代表的な「視点の変更」「時間経過の表現」「テンポの創出」の3つをご紹介します。
1.視点の変更
同じシーンでも、複数のアングルを組み合わせることで映像に立体感が生まれます。別の視点を挟むことで、視聴者は対象物の形状や動き、状況をより深く理解しやすくなります。
2.時間経過の表現
実際には長時間かかる動作や工程でも、カットをつないで必要な部分だけ抜き出すことで、スムーズに時間の流れを伝えられます。
3.テンポの創出
カットの長さや切り替えのリズムを調整することで、動画全体に心地よいテンポが生まれます。適度に緩急をつけることで、視聴者を飽きさせず、最後まで集中してもらいやすくなります。
3. 「ショット(カット)」「シーン」「シークエンス」との違い
「ショット(カット)」「シーン」「シークエンス」は、動画制作でよく使われる基本用語です。
カット割りを理解するうえで欠かせないのが、以下の基本用語です。
● ショット(カット)
カメラを回し始めてから止めるまでの一続きの映像。編集の最小単位。
● シーン
複数のショットが集まり、同じ場所・時間帯で展開されるまとまり。
● シークエンス
複数のシーンで構成される、物語の大きな流れを形成する単位。
これらを理解しておくと、動画の設計・構成がとてもやりやすくなります。
カット数が多い動画の再生維持率が高い3つの理由

なぜ、カット数が多い動画ほど最後まで見てもらえるのでしょうか?その秘密は、視覚の刺激・テンポ・ストーリー性にあります。今回は、再生維持率を高める3つの理由を詳しく解説します。
1.視覚的な変化が多く視聴者を飽きさせない
動画制作において「飽きさせない」というテーマは、どのジャンルでも重要視されています。カット数を増やすことで、画面に変化が生まれ、視聴者に常に新しい刺激を与えることができます。
もちろん、カット数が多い分、撮影や編集の手間は増えます。しかし、その労力に見合うだけの効果――視聴者の離脱を防ぎ、最後まで見てもらえる可能性――が期待できるのです。
2.テンポとリズムが生まれ最後まで見てもらいやすい
動画において「テンポ」は視聴体験を左右する重要な要素です。カット数が多いと、切り替えによって自然なリズムが生まれ、視聴者に心地よい流れを感じさせます。
特に短尺の動画広告では、このリズムが効果的に働きます。細かいカットの連続は、まるで音楽のビートのように視覚的な刺激を与え、視聴者の脳に快適さをもたらすことがあります。こうした無意識の心地よさが、最後まで見てもらえる理由のひとつなのです。
3.カットの連続がストーリー性を生み結末への期待感を高める
人は、連続する情報に自然と意味や関連性を見出す傾向があります。これを「ナラティブ・ファラシー」と呼びます。これは動画でも同じで、複数のカットが続くことで、視聴者は無意識に「次はどうなるのだろう」と期待を抱きます。
たとえ個々のカットに直接的な関連がなくても、視聴者は自分なりのストーリーを組み立てながら視聴を続ける傾向にあります。この心理的な働きが、動画を最後まで見てもらえる大きな要因となります。
【目的別】動画作成で使えるカット割りの7つの種類
カット割りを変えるだけで、動画の見え方は劇的に変わります。初心者でもすぐに実践できる基本から応用まで、カット割りの7種類の特徴と使いどころをわかりやすく解説します。

1.スタンダードカット(ストレートカット)|シンプルな基本手法
スタンダードカットは、特殊な効果を加えずに映像を切り替える、最も基本的な編集手法です。
一見シンプルですが、カットの順番や長さを工夫するだけで、視聴者に与える印象を大きく変えることができます。情報を整理し、ストーリーをわかりやすく伝えるための基礎となるため、初心者からプロまで幅広く活用される重要なテクニックです。
2.ジャンプカット|時間経過や意図的な違和感を演出
ジャンプカットは、同じ被写体をほぼ同じアングルで撮影した映像の間を意図的に詰めることで、時間が飛んだような印象を与える編集手法です。
単調になりやすい長回しのインタビュー映像などで、不要な部分を削除しテンポを改善する際によく使われます。視聴者にスピード感を与え、映像全体を引き締める効果があるため、動画広告やSNS動画でも重宝されるテクニックです。
3.インサートカット|関連する映像を挿入して情報を補足
インサートカットは、メインの映像の途中に関連する別の映像を挿入する編集手法です。
例えば、インタビューで話している内容に合わせて商品や資料の映像を差し込むことで、視聴者の理解を深める効果が期待できます。情報を補足し、映像に説得力を持たせるため、企業PRや教育コンテンツなど幅広いジャンルで活用される基本テクニックです。
4.カットアウェイ|別のシーンを挟んで視点を切り替える
カットアウェイは、メインのストーリーとは直接関係のない映像を意図的に挟み込む編集手法です。
これにより、視聴者の注意を引きつけたり、特定の感情を喚起したりする効果が期待できます。映像に変化を与え、単調さを防ぐだけでなく、演出の幅を広げることができるため、ドラマや広告などでよく使われる応用的なテクニックです。
5.Jカット/Lカット|音声と映像をずらしてスムーズな場面転換を実現
JカットとLカットは、音声と映像の切り替えタイミングを意図的にずらす編集テクニックです。
Jカットでは、次のシーンの音声を先に流し、視聴者に自然な流れを感じさせる一方、Lカットは前のシーンの音声を次の映像にまたがって残すことで、場面転換をより滑らかにします。
会話やストーリーのつながりを強調したい場合に効果的で、映画やドキュメンタリー、企業動画など幅広いジャンルで活用される手法です。
6.マッチカット|似た形や動きでシーンをつなぐ高度なテクニック
マッチカットは、前のカットと次のカットで形や動き、構図が似ている要素をつなぎ合わせる編集手法です。
視覚的な連続性を生み出し、映像に強い印象を与えることができます。このテクニックは、作品に芸術性や洗練された演出効果を加えるため、映画やハイエンドな映像制作でよく用いられる高度な編集技法です。
7.アクションつなぎ|動作の途中でカットして動きを連続させる
アクションつなぎ(カッティング・オン・アクション)は、被写体が動作を行っている途中でカットを切り替え、別のアングルから撮影した同じ動作の続きにつなげる編集手法です。
動きの流れを途切れさせず、映像に躍動感や臨場感を与えることができます。特にアクションシーンやスポーツ映像など、迫力や没入感を高めたい場面で頻繁に用いられるテクニックです。
動画のクオリティを上げるカット割りの5つのコツ

カット割りの種類を理解したら、次は実践です。少し工夫するだけで、動画の印象は大きく変わります。より洗練された仕上がりを目指すための5つの実践的なコツをご紹介します。
- 1. さまざまな画角(ショットサイズ)の映像を組み合わせる
- 2. アクション(動き)の途中でカットする
- 3. BGMや効果音のリズムに合わせてカットする
- 4. 不要な「間」はカットしてテンポを良くする
- 5. 視聴者の視線移動を意識してつなぐ
1.さまざまな画角(ショットサイズ)の映像を組み合わせる
さまざまな画角を組み合わせることで、映像に変化と奥行きを与えられます。
単調な構成を避けるためには、ロングショットで全体の雰囲気を伝え、ミディアムショットで人物や場面を際立たせ、クローズアップで細部にフォーカスするなど、複数のショットサイズを効果的に織り交ぜることが重要です。
さらに、同じサイズのショットを続ける場合は「30度ルール」を意識し、カメラの角度を30度以上変えることで、視聴者に違和感を与えず自然な流れを保てます。こうした工夫が、動画全体のクオリティを大きく引き上げます。
2.アクション(動き)の途中でカットする
動きの途中でカットを切り替える「アクションつなぎ」は、動画編集において非常に効果的なテクニックです。
被写体の動作を分割して編集することで、場面転換が自然になり、視聴者の没入感を高められます。例えば、人物がドアを開けるシーンでは、ドアノブに手をかけるカットと、ドアを開けて部屋に入るカットを組み合わせると、一連の動作が途切れることなくスムーズに見えます。
このように、カットの切り替えが意識されにくくなることで、動画全体のクオリティが向上します。
3.BGMや効果音のリズムに合わせてカットする
音楽のリズムに合わせてカットを切り替えることで、映像と音が一体となり、より印象的な動画に仕上がります。
BGMのビートが強調される瞬間やメロディの切れ目に合わせて編集することで、テンポの良い流れを演出できます。特に、音楽のアクセント部分で映像を切り替える手法は、ミュージックビデオやプロモーション動画で多用される効果的なテクニックです。
視覚と聴覚のリズムが一致することで、視聴者に心地よい一体感を与え、動画の印象を大きく高めることができます。
4.不要な「間」はカットしてテンポを良くする
不要な「間」を取り除くことで、動画のテンポは大きく改善されます。
インタビューや解説動画では、話の途中に生じる「えーっと」や長い無言の時間が続くと、視聴者の集中力が途切れ、離脱の原因になりがちです。こうした不要な間を積極的にカットし、発話をスムーズにつなぐ「ジェットカット」という編集手法を取り入れることで、動画全体のテンポが格段に向上します。
テンポの良い映像は、視聴者にストレスを与えず、最後まで見てもらえる可能性を高めます。
5.視聴者の視線移動を意識してつなぐ
視聴者の視線の流れを意識したカット割りは、自然で見やすい映像を作るための重要なポイントです。
人は無意識のうちに画面内の特定の位置に注目しています。そのため、構図や被写体の配置を工夫し、視線の動きをスムーズにつなぐことで、違和感のない映像を実現できます。例えば、構図の三分割法を活用し、被写体をライン上に配置することで視聴者の視線を効果的に誘導できます。
こうした配慮により、ストレスのない自然なカット割りが可能になり、動画全体の完成度が高まります。
カット割りを活用した動画作成の事例3選
ここまで紹介した5つのカット割りテクニックは、動画の質を高めるための基本です。では、実際の制作現場ではどのように活用されているのでしょうか?
ここからは、“目的の異なる3つの動画事例”を取り上げ、カット割りがもたらす効果や視聴者への印象の違いを具体的にご紹介します。
事例1:【ホテルPR事例】細かいカット割りでリズム感と躍動感を演出
この作品では、短尺ながら緻密なカット構成によって、映像全体にリズム感と躍動感を生み出しています。シーンごとにテンポよく切り替えることで、視聴者を飽きさせず、ホテル内のデザインやエンターテイメント性を鮮やかに印象づけています。
特に、細かいカットの連続が空間の広がりや多様な魅力を強調し、滞在への期待感を高める効果を発揮しています。
短い尺で躍動感を演出するのは難しいのですが、カット数が多く編集することで、このようにリズム感とともに躍動感も演出することができています。
事例2:【マニュアル動画】ジャンプカットでテンポよく手順を解説
この動画では、ジャンプカットを駆使して利用手順をテンポよく提示することで、視聴者がスムーズに理解できる構成になっています。
ナレーションを一切使わず、不要な間を大胆に省略するカット割りによって、商品の特徴と使い方を短時間で的確に伝える工夫が光ります。
特に、視覚情報のみで説明を完結させるためのカット設計が、研修動画やマニュアル動画における効率性を高めています。
事例3:【採用動画】社員インタビューでJカット/Lカットを使い自然な雰囲気を演出
この採用動画では、LカットとJカットを巧みに活用し、音声と映像の切り替えに滑らかな流れを生み出しています。インタビューの声を次のシーンにかぶせるLカットや、次の音声を先に入れるJカットを組み合わせることで、視聴者は会話の続きに引き込まれ、映像のテンポを損なうことなくストーリーが展開します。こうした編集手法は、採用動画において「人柄や職場の雰囲気」を自然に伝える効果があり、視聴者に親近感を与えます。
採用動画やPR動画で“もっと伝わる映像”を作りたいとお考えなら、ぜひプロの制作会社お気軽にご相談ください。
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動画作成のカット割りで失敗しないための5つの注意点

最後に、プロの現場でも実践されているカット割りで失敗しないための5つの注意点をご紹介します。動画制作を検討している方や、編集の質を高めたい方はぜひ参考にしてください。
- 1. イマジナリーラインを越えてはいけない
- 2. 被写体のサイズや向きが急に変わりすぎないようにする
- 3. 意図のないジャンプカットは避ける
- 4. 背景のつながりを意識する(つながりミス)
- 5. 音声のつながりは映像以上に重要であることを意識する
1. イマジナリーラインを越えてはいけない
イマジナリーライン(想定線)とは、会話シーンなどで登場人物同士を結んだ仮想の線のことです。この線を越えてカメラを設置すると、編集時に人物の左右の位置関係が逆転し、視聴者に強い違和感や混乱を与えてしまいます。

例えば、左のカメラの位置から撮影すると、Aさんは左、Bさんは右に座っています。ところが、カメラをイマジナリーラインの反対側に移動して右のカメラの位置から撮影すると、次のカットではAさんが右、Bさんが左に見えてしまいます。
こうした問題を防ぐためには、イマジナリーラインの片側180度の範囲で撮影する「180度ルール」を守ることが重要です。位置関係の一貫性は、ストーリーの理解や没入感に直結するため、撮影前に必ず確認しておきましょう。
2. 被写体のサイズや向きが急に変わりすぎないようにする
被写体のサイズや向きが急に変わりすぎないように注意しましょう。似たようなサイズのショットを連続でつなぐと、映像が不自然に“飛んでいる”ように見え、視聴者に違和感を与えます。一方で、ショットサイズが「まったく変わらない」状態が続くと、映像が単調になり、カットを切り替える意図が伝わりにくくなります。
ショットサイズは“急に変わりすぎても不自然になり、変わらなさすぎても単調になる”ため、バランスが重要です。
例えば、同じ中距離ショットを続けると、カットの意図が伝わりにくくなります。これを避けるためには、ロングショットからクローズアップへ切り替えるなど、ショットサイズに明確な変化をつけることが効果的です。
こうした工夫により、映像の流れが自然になり、視聴者にメリハリを感じさせることができます。
3. 意図のないジャンプカットは避ける
ジャンプカットは、時間を飛ばしたりテンポを良くしたりする効果的な編集手法です。しかし、意図なく使うと単なる編集ミスに見え、視聴者に違和感を与えてしまいます。
例えば、同じ場面で人物の位置や動きが急に変わると「不自然な飛び」が発生します。これを防ぐためには、すべてのカットに意味を持たせることが重要です。
「なぜこのカットを入れるのか」という意図を明確にし、ストーリーや情報の流れに沿った編集を心がけましょう。
4. 背景のつながりを意識する(つながりミス)
カットをつなぐ際には、前後の映像で背景が自然につながっているかを確認することが重要です。背景の連続性が崩れると、視聴者に違和感を与え、ストーリーの流れが途切れてしまいます。
例えば、屋外撮影で晴れのシーンだったのに、次のカットで急に曇り空に変わると「つながりミス」が発生します。
これを防ぐためには、撮影時に天候や周囲の物の配置を注意深く確認し、編集時にも背景の一致を意識することが大切です。こうした細部への配慮が、映像の自然さと質を大きく左右します。
5. 音声のつながりは映像以上に重要であることを意識する
映像のつながりが多少不自然でも、音声がスムーズにつながっていれば視聴者は違和感を覚えにくいものです。逆に、映像が滑らかでもBGMが急に途切れたり、会話の音量が急に変わったりすると、集中が大きく妨げられます。
例えば、インタビュー動画で声のトーンが急に変わると、視聴者は編集の粗さを感じてしまいます。
高品質な動画制作には、映像だけでなく音声レベルの調整や環境音、BGMのつながりにも細心の注意を払うことが不可欠です。音声の自然な流れは、映像全体の完成度を左右する重要な要素です。
まとめ
ここまで、カット割りの基本や効果的な使い方について解説してきました。カット数の多い動画は編集に手間がかかりますが、その分、テンポや視覚的なメリハリを生み出し、飽きさせない映像に仕上げることができます。動画の目的やターゲットに合わせて、こうしたカット技術を取り入れることで、より印象的な表現が可能になります。
もし「自分で編集するのは難しそう…」と感じたら、Shibu Movie(シブヤムービー)が企画から編集までサポートします。採用動画やPR動画で、もっと伝わる映像を作りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。
初めての映像制作の方にも、ご不安なくご利用いただけるよう制作の流れやご活用方法まで、
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