映像制作・動画制作のコラム
2020年9月1日 最終更新日:2026年6月30日
株主総会動画の作り方完全ガイド|費用・スケジュール・制作会社の選び方を解説

株主総会は、企業の経営状況や今後の方針を株主に正確に伝える重要な場であり、その情報開示の質は企業価値の評価にも直結します。近年では説明内容の高度化やオンライン化の進展により、動画を活用した情報伝達の重要性が高まっています。
事業報告や業績説明といった専門性の高い内容は、動画によって視覚的に整理することで理解しやすくなり、株主との認識の齟齬を防ぐ手段としても有効です。一方で、数値の正確性や短期間での修正対応、情報管理など、一般的な動画制作とは異なる要件が求められる点には注意が必要です。
本記事では、株主総会で活用される動画の種類やメリット、費用相場、制作スケジュール、制作時のポイント、制作会社の選び方までを実務視点で整理して解説します。
この記事でわかること
■株主総会で使われる動画の種類と用途ごとの役割
■費用相場や制作スケジュールの考え方
■失敗しないための制作ポイントと制作会社の選び方
目次
株主総会で使われる動画の種類
株主総会では、目的や使用シーンに応じて複数の動画が活用されます。本章では、株主総会で用いられる代表的な4つの動画の種類と、それぞれの役割について解説します。
| 種類 | 使用タイミング | 主な目的 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ①待機動画 | 開会前 | 印象形成・理解準備 | 転用しやすく自由度が高い |
| ②説明動画 | 総会本編 | 理解促進・正確性担保 | 概要を動画、詳細を口頭で補足 |
| ③ドキュメント動画 | 総会後 | 情報共有・透明性向上 | 繰り返し視聴・議決権行使促進 |
| ④配信対応動画 | リアルタイム/後日 | 参加機会の拡張 | オンライン・セキュリティ対応 |
①開会前・待機時間に流す待機動画
株主が着席し、総会の開始を待つ時間帯に流す動画で、業績ダイジェストや企業紹介、ブランドムービーなどが活用されます。
本編前のリラックスしたタイミングに企業情報を伝えることで、ポジティブな印象を形成しやすい特徴があります。
この動画はコンテンツの自由度が高く、新製品・新サービスの紹介や工場・事業拠点の紹介などにも展開可能です。株主総会本編とは切り離して運用できるため、汎用的な内容で制作しておくことで、会社紹介動画や採用コンテンツなどへの転用も可能になり、毎年の更新コストを抑えやすい点もメリットです。
株主総会本編とは切り離して運用できるため、他用途へ転用しやすくコスト効率にも優れています。
採用動画への活用については、関連記事「採用動画の作り方とコツ・ポイントを徹底解説」も参考にしてください。
②総会本編で使う説明動画
株主総会や決算説明会において、株主や投資家に向けて事業内容や業績を説明する際に活用される動画です。インフォグラフィックなどを用いることで、複雑な内容も端的かつ視覚的に伝えることができます。
「動画で概要を伝え、詳細を口頭で補足する」という構成にすることで説明にメリハリが生まれ、参加者の理解と集中力を維持しやすくなります。
動画で全体像を先に提示することで、聞き手は情報を整理しながら内容を追いやすくなります。また、事前収録によって当日の言い間違いや聞き取りにくさといったリスクを排除でき、情報の正確性を担保できる点も重要です。
③情報共有を目的としたドキュメント(記録)動画
株主総会・決算説明会に参加できなかった株主や投資家に対して、当日の様子を撮影し共有するオンデマンド形式の動画です。欠席者に対しても、出席者と同等の情報を提供できる点が特徴です。
紙の資料やデータだけでは伝えきれない内容も、映像として記録・発信することで、非参加者でも当日の流れや発言のニュアンスを含めて理解しやすくなります。
また、コーポレートサイトのIRページやYouTubeに掲載することで繰り返し視聴が可能となり、情報開示の透明性向上に寄与するとともに、議決権行使を後押しする情報提供ツールとしても活用されています。
④参加者の拡張を目指すオンライン・ハイブリッド配信対応動画
YouTube Liveなどを活用したリアルタイム配信と、後日公開するアーカイブ配信の2つの形式があり、株主の参加状況やニーズに応じて使い分けることができます。
リアルタイム配信とアーカイブ配信を組み合わせることで、時間や参加環境の制約を受けずに株主が情報へアクセスできるようになります。
コロナ禍以降、オンライン株主総会やバーチャル株主総会、ハイブリッド型株主総会への移行が進んでおり、配信対応の可否は制作会社選定における重要な判断基準となっています。
また、株主専用のID・パスワードで閲覧制限をかけた配信環境を構築することで、機密性を確保しながら事前視聴やアーカイブ公開を行うケースも増えています。
オンライン配信により参加機会を拡張しつつ、情報提供の幅を広げることが可能になります。
株主総会動画は本当に必要?導入メリットを解説

株主総会における動画活用は、単なる視覚的補助にとどまらず、進行の効率化や情報伝達の質向上に直結します。本章では、説明用動画およびドキュメント動画の活用を中心に、実務上のメリットを解説します。
議長・司会の負担軽減と当日のスムーズな進行
事業報告の内容を事前に動画化しておくことで、当日の議長による口頭説明の時間を短縮できます。説明パートを動画として整理することで、議長は質疑応答や重要な補足説明に集中できるようになります。
説明パートを動画として切り出すことで、議長が対応すべき役割が明確になり、当日の進行に余裕が生まれます。その結果、限られた開催時間の中でも議事進行にメリハリが生まれ、全体としてスムーズな運営を実現しやすくなります。
また、動画としてフォーマット化しておくことで、説明内容のばらつきを防ぎ、毎年の情報開示品質を安定させやすくなります。
複雑な情報をわかりやすく伝えられる
インフォグラフィックやアニメーションを活用することで、業績や事業構造などの複雑な情報を直感的に理解しやすくなります。
特に株主総会では専門用語や数値情報が多くなるため、映像を用いて視覚的に整理することで、参加者の理解度を高めることが可能です。
映像による視覚的な整理は、難解になりがちな情報伝達の精度と理解スピードを向上させます。
株主との継続的なコミュニケーションの創出
動画は当日で完結するツールではなく、IRページへの掲載や議決権行使促進のためのコンテンツとして、継続的に活用できます。欠席した株主に対しても出席者と同等の情報を提供できるため、総会当日にとどまらない中長期的な株主対話の強化につながります。
また、YouTubeやIRページでアーカイブ配信を行うことで、海外投資家を含む幅広いステークホルダーへの情報提供が可能となり、企業理解の促進にも寄与します。
株主総会動画制作の費用相場
株主総会で活用される動画は、形式や制作内容によって費用が大きく異なります。
本章では、スライド型・アニメーション型・実写型といった主な動画形式ごとの費用相場と、その要因について解説します。

スライド型(PowerPoint連動)動画
PowerPointなどの資料をベースに制作するシンプルな形式で、費用相場は30〜50万円程度が目安です。既存資料を活用できるため、比較的低コストかつ短納期で制作できる点が特徴です。
ナレーション収録や字幕の追加をオプションで組み合わせるケースが多く、情報を正確に整理して伝える用途に適しています。一方で、視覚的な表現は限定されるため、アニメーション型と比べて訴求力や印象面ではやや劣る傾向があります。
そのため、正確な情報伝達を重視する企業や、初めて株主総会動画を導入するケース、また毎年の内容更新が多くコストを抑えたい企業に適した形式です。
アニメーション・インフォグラフィック型動画
グラフや数値に動きを加えることで、業績の推移や複数事業の関係性を視覚的に表現できる動画形式です。複雑な情報を直感的に理解しやすく伝えられる点が大きな特徴です。
費用相場はおおよそ50〜100万円程度で、動画の尺やアニメーションの複雑さ、ナレーション収録の有無によって大きく変動します。初年度はフォーマット設計やモーション制作にコストがかかる一方で、一度テンプレートを構築すれば、2年目以降は数値やテキストの更新を中心に効率よく運用できます。
そのため、成長性や事業構造をわかりやすく伝えたい企業や、中長期的な運用を前提に投資対効果を重視するケースに適しています。
実写動画
株主総会当日の様子を撮影したドキュメント動画や、役員インタビューを含む実写動画は、撮影および編集の工数がかかるため、全体的に費用は高額になる傾向があります。
特に総会全体をフルで収録しアーカイブ配信する場合は長尺となるため、制作・編集コストが増加しやすい点に注意が必要です。一方で、重要なポイントのみを抽出したダイジェスト形式にすることで、コストを抑えつつ訴求力を保つことも可能です。
費用相場は30〜200万円程度が目安で、撮影日数やカメラ台数、編集内容によって変動します。臨場感や信頼性を重視し、実際の様子をそのまま伝えたい場合に適した形式です。
費用を変動させる主な要因
株主総会動画の費用は、動画形式だけでなく、動画の尺(分数)やアニメーションの有無、ナレーション収録、修正回数といった要素によって大きく変動します。
加えて、株主専用ページの構築や配信環境の設定(YouTube Liveなど)が必要な場合は、別途費用が発生するケースもあります。
制作会社によって対応範囲や料金に含まれる内容は異なるため、複数の制作会社から見積もりを取得し、どこまでの作業が費用に含まれているかを比較したうえで判断することが重要です。
動画制作の費用についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
失敗しない!制作スケジュールと進行の目安

株主総会動画は、決算発表後に数値が確定するまで内容が固まらないため、総会の1〜2カ月前が最も修正が集中する期間になります。そのため、他の企業動画と比べて早期着手が求められる点に注意が必要です。
制作期間はキックオフから納品まで約3カ月が目安となります。初回はフォーマット設計から始まるため、開催の3〜4カ月前にはキックオフできるよう、発注の意思決定を早めに行う必要があります。
一方で、2年目以降は既存フォーマットを更新する形で進めることで、決算発表後1カ月弱で制作を完了させることも可能になります。
株主総会動画を制作する際の3つのポイント

株主総会動画は、正確性や伝達力が求められるため、制作時の設計が全体のクオリティを左右します。特にIR領域では、わかりやすさと信頼性を両立させる必要があります。
本章では、株主総会動画を制作する際に押さえておくべき3つのポイントについて解説します。
アニメーションとインフォグラフィックで専門用語をわかりやすく補足する
IR動画を制作するにあたり、企業の事業内容や投資メリットといった専門性の高い情報を、誰でも理解しやすい形で伝える必要があります。
収益や経営指標などは抽象的になりやすいため、アニメーションやインフォグラフィックを活用し、視覚的に整理して補足することで理解しやすくなります。
また、専門用語についてはテロップやイメージ図を用いて補足することで、内容の理解をより深めることができます。
映像の特性を活かしたメリハリのある構成にする
IRのドキュメント動画は、実際の会合をそのまま収録するケースが多く、1時間以上の長尺になる傾向があります。そのままでは視聴者の集中力が続きにくいため、動画として再構成する際には、見やすさとメリハリのある構成が必要になります。
具体的には、カメラアングルの切り替えや重要な場面でのクローズアップなどを取り入れ、伝えるべきポイントに応じた演出を行うことが有効です。
また、補足資料やテロップを適切に挿入することで、説明動画としても機能させることができ、理解の促進につながります。
数値・テロップの誤りを防ぐチェック体制を整える
テロップの誤字脱字やグラフの数値ミスは、投資家の信頼を大きく損なうリスクがあるため、複数担当者によるチェック体制が不可欠です。
株主総会動画は、直前になって決算数値や経営計画の変更が入りやすいコンテンツであり、修正対応のスピードも重要な要素となります。こうした状況に対応するためにも、制作会社の選定においては修正対応力も重要な判断基準となります。
また、初年度に更新しやすいフォーマットを構築しておくことで、翌年度以降の修正工数とコストを効率的に抑えることが可能になります。
株主総会動画の制作会社を選ぶポイント3選

株主総会動画は、正確性や短納期での修正対応が求められるため、制作会社の選定が結果を左右します。
本章では、選定時に確認すべき3つのポイントを解説します。
IR・株主総会動画の制作実績があるか
一般的な動画制作会社とIR特化の制作会社では求められるスキルが異なるため、株主総会や決算説明会の具体的な制作実績を事前に確認しておく必要があります。
特に、財務情報の視覚化スキルやコンプライアンスへの配慮といったIR特有の専門性が求められるため、対応実績の有無が制作品質に大きく影響します。
一方で、企業紹介動画やブランドムービーなど、株主総会の本編以外で活用する動画については、ブランド映像に強みを持つ制作会社も選択肢となります。
制作実績のポートフォリオを確認し、自社の目的に応じて適切な制作会社を選定することがポイントです。
スケジュール対応力と直前修正への柔軟性があるか
株主総会は開催日程が固定されているため、逆算した制作スケジュールの管理能力と、決算発表後の短納期対応力が求められます。
特に、直前に数値変更や追加情報が発生するケースも多いため、修正に柔軟に対応できる体制を持つ制作会社を選ぶことでリスクを抑えることができます。
また、「総会の1〜2カ月前に修正が集中する」という実務上の特性を踏まえて進行できる制作会社かどうかも、選定時に確認しておきたいポイントです。
情報管理・セキュリティ体制が整っているか
株主総会動画では、未発表の決算情報や経営計画といった機密性の高い情報を扱うため、制作会社の情報管理体制を事前に確認しておく必要があります。
具体的には、NDA(秘密保持契約)の締結有無や情報管理フローの明確さに加え、セキュリティポリシーの内容などを確認することが求められます。過去のトラブル事例の有無も判断材料の一つとなります。
また、オンライン配信を行う場合は、株主専用ページのID管理やアクセス制限など、閲覧環境のセキュリティ対策まで対応できるかも確認しておきたいポイントです。
株主総会動画の制作事例
エボラブルアジア社は、旅行商品販売やIT開発など複数の事業を展開している企業であり、それぞれの内容を株主にわかりやすく伝えることが課題となっていました。
同社では、各事業を色分けして区切る構成を採用することで、複雑な内容でも視覚的に整理され、直感的に理解しやすい動画に仕上げています。これは、アニメーションやインフォグラフィックを活用して情報を整理する手法の代表例の一つです。
複数事業を展開する企業においては、このように情報を整理して伝える設計が、理解促進と説明の一貫性向上につながります。こうした構成設計は、制作会社側の経験や設計力によって大きく差が出るポイントです。
株主総会動画に関するよくある質問
株主総会動画の制作費用はどれくらいかかりますか?
形式や内容によって異なりますが、スライド型で30〜50万円、アニメーション型で50〜100万円、実写動画で30〜200万円程度が目安です。
株主総会動画の制作期間はどれくらい必要ですか?
初回は約3カ月が目安です。決算発表後に内容が確定するため、総会の3〜4カ月前から準備する必要があります。
株主総会動画は自社で制作することも可能ですか?
簡易的な動画は自社制作も可能ですが、正確性や短納期対応を考えると、制作会社に依頼した方が安定した運用がしやすくなります。
まとめ
株主総会動画は、情報の正確性や伝達力に加え、短期間での修正対応や継続運用までを見据えて設計する必要があるコンテンツです。スライド型・アニメーション型・実写型それぞれに特性があり、目的や予算に応じた形式選定が求められます。
また、制作の進め方やスケジュール管理、制作会社の選定によって成果に大きな差が生まれる点も特徴です。特にIR領域では、専門性への理解と対応体制の両面を踏まえて判断することが不可欠です。
一方で、株主総会本編の説明動画以外に、企業紹介やブランドムービーなどの用途では、必ずしもIR特化に限定する必要はなく、目的に応じて制作会社を使い分けることも有効な選択肢となります。
Shibuya Movieでは、企業ブランディングや会社紹介動画において多数の制作実績があり、IRと連動した映像設計にも対応しています。株主総会用の補助動画や、IRと連動したブランド映像の制作についても対応可能ですので、「何から始めればよいか分からない」という段階でもお気軽にご相談ください。
初めての映像制作の方にも、ご不安なくご利用いただけるよう制作の流れやご活用方法まで、
丁寧にご案内させていただきます。お客様の映像制作のゴールを達成するため、
企画〜撮影、完成まで専任チームが伴走いたします。



