映像制作・動画制作のコラム
2019年7月19日
インスタグラムに動画広告を出稿するポイント7つ!特性や料金形態についても解説
近年、インスタグラムは飛躍的にユーザー数を伸ばしており、「インスタ映え」というワードも定着しています。写真投稿に加え、ストーリー機能など動画共有に適した機能も登場し、その結果、企業が動画広告を積極的に活用し始めています。
今回は、インスタグラムの特性、動画広告の料金形態と広告の種類、広告を出稿する際のポイントをご紹介いたします。インスタグラムで動画広告の活用を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
インスタグラムの特性
インスタグラムは、写真と動画の投稿がメインのSNSです。世界のユーザー数は2022年に20億人を突破しました。国内のユーザー数は、2019年の調査で約3,300万人でした。また、令和4年度の総務省の調査によると、ユーザーの男女別の割合は女性が58.9%、男性が41.4%と大きな差はありません。
出典:総務省情報通信政策研究所「令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」
「インスタ映え」という言葉が流行したように、おしゃれな写真を投稿し、ユーザー同士で共有することができます。
ほかにも、「#(ハッシュタグ)」や24時間で投稿が消える「ストーリーズ」といった機能が追加され、さらに人気が高まっています。
投稿の多くは、ファッションやインテリア、訪れた飲食店など、プライベート感が強いのが特徴です。気になる商品や店舗の情報を調べるための情報収集でインスタグラムを活用するユーザーも増えつつあります。
インスタグラムは消費行動との関わりが強く、一般消費者をターゲット層とするBtoC企業は集客に活用することも可能です。
写真や動画の投稿がメインのインスタグラムは、ユーザーに対して視覚的に訴求できることがメリットです。アパレルやコスメなど、ビジュアルで訴求できる商材はインスタグラム広告に適しています。
ほかにも、インスタグラムにはショッピング機能が実装されています。投稿画像に商品名と価格をタグ付けすることで、ECサイトに誘導できる機能です。
商品やサービスの新たな販売チャネルとして、インスタグラム広告を活用する意義はあるでしょう。
インスタ動画広告の料金形態
インスタグラムの動画広告には4種類の課金方式があります。ここでは、それぞれの料金形態や詳細についてご紹介します。
CPC(クリック課金)
CPC(Cost Per Click)とは、ユーザーが広告を1回クリックするごとに料金が課金される形式です。そのため、クリックされなければ料金は発生しません。
CPCの料金は、「CPC=キャンペーンの消化金額÷クリック数」で計算できます。例えば、キャンペーンの消化金額が20万円、クリック数が4,000回の場合、CPCは50円となります。
CPCの相場は、1クリックあたり40~100円です。ただし、競合が多いジャンルではクリック単価が高くなるため、注意が必要です。CPCは、自社のWebサイトへの誘導や、購入に直結する販促などの利用に適しています。
CPM(インプレッション課金)
CPM(Cost Per Mille)とは、広告が画面に表示された回数(インプレッション)1,000回ごとに課金される形式です。CPMの料金は、「CPM=キャンペーンの消化金額÷インプレッション×1,000」で求められます。
例えば、キャンペーンの消化金額が5万円、インプレッション数が5万回だった場合、CPMは1,000円(1インプレッションあたり1円)です。なお、CPMの費用相場は、1インプレッションあたり0.5~1円程度です。
CPMでは広告の表示を目的に配信するため、多くのユーザーの目にとまるメリットがあります。CPCのようにクリック数では広告費の影響がないため、クリック率が多いほど単価が低くなり、費用対効果がアップします。
ただし、商品やサービスを必要としていないユーザーに広告が表示されても、料金は発生します。そのため、CPMは販促ではなく、商品やサービスの認知を広げるブランディングとして活用するのがおすすめです。
CPV(視聴課金)
CPV(Cost Per View)は、広告の視聴回数に応じて課金される形式です。インスタグラム広告では「10秒以上」の視聴で1カウントされます。
そのため、動画をスキップせず、一定以上の秒数を視聴したユーザーに効率良く広告費をあてることが可能です。CPVの料金は、「CPV=キャンペーンの消化金額÷動画広告視聴数(10秒以上)」で求めることができます。
例えば、消費金額が5万円で動画の視聴回数が7,000回だった場合、CPVは1再生あたり約7円です。また、費用相場は、1再生あたり約4~7円とされています。質の高い動画を制作できれば、商品やサービスの認知度アップや訴求につながります。幅広い顧客層にアピールしたい場合は、CPVで動画広告を配信するのがおすすめです。
なお、インスタグラム広告では、「15秒以上」の動画再生で課金される「スループレイ」(ThruPlay)もあります。費用は、1再生あたり100円~200円と高額な反面、動画をくまなく見ることで認知度の向上に役立ちます。
CPI
CPI(Cost Per Install)とは、動画広告経由でアプリが1回インストールされるたびに課金される形式です。CPIの費用は、「CPI=キャンペーンの消化金額÷インストール数」で計算します。CPVの費用相場は、1インストールあたり100円~200円です。
インストールが発生した段階で料金が課金されるため、動画広告の成果をすぐに把握できます。また、低い予算から動画広告を配信できるので、必要最低限の広告費で済むのもCPIの特徴です。
ただし、CPMやCPCに比べると、インプレッション数やクリック数が伸びにくい傾向にあります。有料のアプリであれば費用対効果を実感できる反面、無料のアプリでは赤字になる可能性があるので注意が必要です。CPIはインストールを促したいアプリがあるときに、限定的に利用するとよいでしょう。
インスタ動画広告の種類
インスタグラムに出稿できる動画広告には、フィード広告、ストーリーズ広告、発見タブ広告、リール広告の4種類があります。
4種類のインスタ動画広告の特徴について解説します。
フィード広告
フィード広告とは、フィード(トップ画面)に表示される広告のことを指します。
ユーザーの投稿と投稿の間に表示されるため、投稿との親和性が高くユーザーにとっても邪魔になりにくい広告形態となっています。
ストーリーズ広告
ストーリーズ広告とは、縦長のフルスクリーン動画を、ストーリー上で最大15秒の動画広告として配信できるものです。デフォルトの設定は5秒ですが、内容に合わせて尺を設定できます。
発見タブ広告
発見タブとは、インスタグラム上で虫眼鏡マークをクリックした際に表示される広告のことを指します。
ユーザーのいいねやタップ、保存に関するデータを元に最適な広告を表示してくれます。
リール広告
インスタグラムのリール内に表示される広告で、画面の占有率が高いためユーザーの記憶に残りやすい広告となっています。動画の長さも最大15分まで設定できます。
インスタグラムで動画広告を出稿する際のポイント7つ
インスタグラムで動画広告を出稿する際、押さえておくべきポイントがあります。動画広告を効果的に活用するため、以下の7つのポイントを実践しましょう。
1.独特なフォーマットを味方にする
インスタグラムの動画広告では、掲載方法に合わせてインスタグラム特有の正方形、または縦長のフォーマットで制作する必要があります。「縦位置」で動画を出稿することでユーザーにストレスを与えない、「見られる」広告を展開することができます。
正方形や縦長の動画は通常の横長の動画とは規格が異なります。そのため、横長で制作した動画を流用するのではなく、インスタグラム専用にクリエイティブを見直す必要があります。
2.#(ハッシュタグ)を有効活用
サイバーバズ社の「ハッシュタグ検索と購買行動の関係性」の調査によると、インスタグラムユーザーの約6割がハッシュタグ検索を利用し、うち4割が実際に購入しているといわれています。
キャッチーで使用率の高いハッシュタグの選択や、動画とのコンビネーションで目を引く広告の制作が求められます。ハッシュタグを有効に活用することで、ユーザーの購買意欲を刺激することができます。
3.個人へ向けて体験を語るナラティブ型動画
インスタグラムのおもなユーザー層はミレニアル世代と呼ばれる、2000年代に成人あるいは社会人になった世代です。ミレニアル世代はインターネットが普及した環境で育った最初の世代で、情報リテラシーに優れ、多様な価値観を自然と受け入れる繊細な世代といわれています。
この世代は、「口コミ」を指標に購買活動を含むさまざまな選択を行なう傾向にあります。ミレニアル世代をターゲットとした広告では、従来の一方的に商材をアピールする内容ではなく、実体験を自分の言葉で語るインタビュー動画などの個人から個人へと届ける趣旨の内容が響きやすいと考えられます。
4.目的とターゲットを明確化する
インスタグラムで動画広告を配信する目的は、認知度の拡大、CV率アップ、新規顧客の獲得などさまざまです。あらかじめ目的を明確にし、ターゲットとするユーザーの心に刺さる動画を制作しましょう。
インスタグラムの動画広告では、詳細なターゲティングの設定が可能です。インスタグラムはFacebookと連携しているため、Facebookのデータを引き継ぐ形でターゲティングを設定できます。設定できるターゲティングの項目には、以下が挙げられます。
ターゲティングの種類 | 項目 |
ユーザー属性 | 年齢、性別、地域、属性(仕事、学齢、収入など) |
インタレストターゲティング | <興味・関心> ビジネス、家族や交友関係、スポーツ、テクノロジー、食品 など <行動> |
カスタムオーディエンス | <自社の顧客情報> 電話番号、メールアドレス、FacebookのID、アップルの広告用ID など <Facebookデータ> |
インタレストターゲティングとは、インスタグラムやFacebookのアクティビティをもとに、ユーザーをターゲティングする機能です。ユーザーの興味・関心、行動などのターゲティングを設定できます。
一方、カスタムオーディエンスは、自社の顧客データやFacebookデータを活用したターゲティングの機能です。既存顧客をはじめ、特定のアクションを起こしたユーザーに広告を出すなど、狙いを絞った広告運用が可能です。
詳細なターゲティングを設定すると、動画広告のターゲットとなる人物像も明確になります。
5.15秒以内の動画にする
インスタグラムの動画広告は最大で60秒ですが、実際には60秒も見てもらえない可能性が高いでしょう。なぜなら、動画広告の世界では、最初の数秒でユーザーを惹きつけることが重要とされているためです。「最初の2秒」でインパクトを与え、「15秒以内」で終わる動画にすることがポイントです。インパクトのある表現でユーザーを惹きつけつつ、続きを視聴したいと思わせる工夫が必要です。
例えば、スキンケア商品の場合、シミやシワのある肌の写真を冒頭に出すことで、同じ悩みを持つ方の興味を惹きつけられます。
6.無音でも伝わるよう意識する
インスタグラムユーザーのほとんどは、スマートフォンで動画を視聴します。マナーモードで視聴するユーザーも多いため、音声がなくても理解できる動画にすることもポイントです。例えば、動画のナレーションをテキストで表示する、商品の使用方法を実際に披露して見せるなどの工夫が効果的です。
7.広告感を出しすぎてはいけない
インスタグラムユーザーのなかには、広告感の強い動画に抵抗があるケースも少なくありません。広告感を抑えるには、一般ユーザーのように素材やフォントなどをおしゃれにすることが大切です。また、動画のサイズを一般の投稿に合わせると、広告感を抑えられます。フィード広告を出す場合はアスペクト比が1:1の正方形、ストーリーズ広告はアスペクト比9:16の縦型にするとよいでしょう。
動画制作を外注する方法もある
動画制作を自社で行なうのが難しい場合、外部の業者に外注する方法もあります。ここでは、動画広告を外注するメリット、デメリットについて解説します。
動画制作を外注するメリット
インスタグラムの動画広告を外注する最大のメリットは、専門スタッフによってクオリティの高い動画を制作できることです。
動画制作には、短い時間でユーザーを惹きつける、広告感のない動画にするなどさまざまな工夫が求められます。外注することで、高度な技術の導入やユーザーの興味を引く編集など、プロの知見からより良い動画制作が可能です。
また、動画制作にかかるリソースを削減できるため、通常業務に支障をきたす心配もありません。動画制作は慣れないと時間がかかるため、自社で動画を制作するよりもプロに依頼したほうがスピーディーです。
外注する際は動画制作の実績などを確認し、自社のイメージに合った制作会社を選ぶことが大切です。
動画制作を外注するデメリット
動画制作を外注するには、まず制作会社に商品やサービスの魅力を理解してもらう必要があります。自社と制作会社の関係者同士で、定期的にコミュニケーションをとらなければなりません。さらに、先方のスケジュールで動くため、動画完成まで時間がかかる可能性もあります。スケジュールの柔軟性が低いことも、動画制作を外注するデメリットの一つです。
動画のクオリティは上がりますが、自社で制作する場合と比べてコストも大きくなります。凝った動画になるほどコストがかかるため、予算とクオリティを考慮したうえで制作会社に依頼する必要があります。
まとめ
急速にユーザーを増やしているインスタグラムは、動画広告の出稿先に最適です。ただし、インスタグラム広告には広告の種類と料金形態が複数あります。費用対効果を上げるには、目的やターゲットの明確化が大切です。インスタグラム特有の動画規格やユーザー層を把握して、より効果的な動画広告を制作しましょう。
インスタグラムの動画広告制作を検討されているなら、Shibuya Movieへ是非お気軽にご相談ください。