映像制作・動画制作のコラム
2024年2月21日
初心者向け!簡単4ステップで学ぶ無料でも始められるインタラクティブ動画の作り方
インタラクティブ動画とは、視聴者がアクティブに参加できる仕掛けが組み込まれた動画を指します。採用や教育・研修、プロモーションなど、さまざまなシーンで活用されています。
本記事では、初心者でも無料で始められるインタラクティブ動画の作り方を解説します。インタラクティブ動画のメリットや、具体的な活用例についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
インタラクティブ動画とは?
インタラクティブ動画は、視聴者が直接参加して、動画の進行に影響を与えることができる新しい動画形式です。視聴者と動画コンテンツの双方向のやり取りを実現することで、単なる視聴を超えた没入型の体験を提供できることが特徴です。
具体的には、視聴者がクリックやタップなどのアクションを取ると、ストーリー分岐や特定コンテンツへのアクセスができるように設計できます。
インタラクティブ動画は近年注目を浴びており、その背景にはスマートフォンの普及や通信回線の高速化、各種動画プラットフォームの増加といったデジタル技術の進歩が関係しています。
〇Shibuya Movieが作成したインタラクティブ動画のサンプル
タカノ株式会社様/採用編 | 動画制作のShibuya Movie
動画視聴が日常の一部となっている現代において、インタラクティブ動画への関心が急速に高まっており、今後もさらに広がっていくことでしょう。
詳しくは「インタラクティブ動画とは?メリットや活用方法・制作のポイントを紹介」で解説をしています。
インタラクティブ動画のメリット
近年注目を集めているインタラクティブ動画ですが、制作するとどのようなメリットや効果を得られるのでしょうか。ここでは、インタラクティブ動画のおもなメリットを5つ紹介します。
1.エンゲージメントの向上
インタラクティブ動画は、視聴者を動画コンテンツの一部として積極的に巻き込む効果があります。これにより強いエンゲージメントを生み出し、ブランド価値の向上に貢献します。
エンゲージメントとは、視聴者と企業や製品との関係の深さを示す指標です。
従来の動画は一方的な情報伝達にとどまりますが、インタラクティブ動画では視聴者が動画に関与できるため自然と動画の試聴時間が長くなります。その結果、企業や製品、サービスへのエンゲージメントが深まるのです。
2.ブランド認知とコンバージョンの促進
インタラクティブ動画では、視聴者が動画を自分で操作しながら視聴するため、サービスや商品に対する理解が深まりやすい特徴があります。
また、インタラクティブ動画内から直接該当サイトへアクセスできるため、視聴者は興味があればただちに購入や問い合わせが可能です。
したがって、インタラクティブ動画を導入すると、ブランド認知から具体的な行動への促進を実現できます。
3.拡散されやすい
インタラクティブ動画は、高いエンタメ性を生み出すため、視聴者から「こんなおもしろい動画があった!」などのコメントとともに、SNS上でシェアされやすい特徴があります。
SNSで多くの人に拡散されれば、企業やブランド、商品の大きなPR効果をもたらすでしょう。
4.ユーザーの記憶に残りやすい
インタラクティブ動画は、通常の動画とは一線を画す印象深い体験を提供します。視聴者参加型の体験を通して、動画の内容がより記憶に残りやすく、ブランドに対してのイメージも強くなるでしょう。インタラクティブ動画を採用している企業はまだ多くないため、競合他社との差別化にもつながります。
5.ユーザー分析がしやすい
インタラクティブ動画では、通常の動画指標に加えて、より詳細な情報を取得できます。視聴者のアクションから深い解析データを得ることで、クリエイティブの改善やマーケティング施策の最適化が可能です。
例えば、「ポップアップ滞在時間」「動画全体を通した総タッチ数」「どの場所が何回タッチされたか」などのデータを収集し、パフォーマンスを数値で評価できるでしょう。これにより、具体的な改善ポイントを洗い出し、動画のPDCAサイクルを回すことが可能です。
これは、インタラクティブ動画ならではのメリットであり、ビジネスにおいて重要なポイントといえます。
【4ステップ】インタラクティブ動画の作り方
インタラクティブ動画は、通常の動画とは異なり、視聴者にアクションを促す必要があります。そのため、効果的なインタラクティブ動画を作成するには、しっかりとした計画と工夫が必要です。ここでは、インタラクティブ動画の作成方法を解説します。
1.インタラクティブ動画を作る目的・ゴールを明確にする
インタラクティブ動画を制作する際には、明確な目的とゴールの設定が大切です。目的やゴールが不明確なまま制作を進めると、コンセプトがぶれやすくなります。結果的に、視聴者が途中で離脱するリスクが高まり、最悪の場合は、企業のイメージに悪影響をおよぼす可能性もあるため注意が必要です。
また、目的やゴールは、制作チーム内で共有し合うことも重要です。チーム全体が共通の理解を持つと、一貫性のある動画を作りやすくなります。
2.ターゲットを明確にする
ターゲット設定は、専門用語の使用の有無や動画の長さなど、動画のスタイルを決定するうえで重要です。ターゲットの興味やニーズに合ったコンテンツの提供は、視聴者の関心を引き、成果につながります。
例えば、認知拡大を目指す場合は、専門用語を避けた初心者向けの動画が適しています。反対に、既存の顧客をターゲットにする場合は、専門用語を使用し、サービスの深い魅力を伝えることが効果的です。
3.全体の構成を作る
目的・ゴールとターゲットを設定したあとは、ストーリーラインやインタラクティブ要素を考えます。視聴者の状況や心理を想像しながら、どのような順序で情報を伝えるかを考えましょう。
インタラクティブ動画の場合、視聴者の選択によってストーリーが変わるため、複数のストーリーを組み合わせた構成が必要です。
ただし、仕掛けが複雑にならないよう注意し、適切なタイミングで視聴者参加の要素を配置してください。また、各パートのつながりに違和感がないかチェックすることも大切です。
台本を作成する際は、セリフや撮影アングル、秒数、必要機材を記載し、絵コンテや遷移図を作成して、動画全体を視覚化します。
オリジナリティを追求しつつも、マーケティング視点を忘れずに作成することが大切です。完成した台本はチーム内で共有し、目的とのズレがないか確認しましょう。
4.撮影・編集を行なう
インタラクティブ動画の撮影・編集では、視聴者がスムーズにコンテンツを体験できるよう注意を払うことが大事です。
撮影に関しては、通常の動画制作とは異なり、分岐したストーリーごとに撮影を行なう必要があります。遷移図を参考にして、漏れのないように撮影を進めましょう。
また編集の際は、画面上にボタンや選択肢が表示されることを想定して、作業を進めることが大切です。これらを考慮せずに編集を進めると、重要なカットや選択肢が見えにくくなる可能性があります。
大切なのは、視聴者の立場に立ち、必要な情報を簡単に得られるようにすることです。視聴者のデバイスや視聴環境も想定し、適切な情報提供を心がけましょう。
インタラクティブ動画を制作できるツール4選
インタラクティブ動画を制作できるツールを4つ紹介します。無料で使用できるものもあるため、参考にしてみてください。
1.MIL
MILは、インタラクティブ動画の制作と運用を一貫してサポートするプラットフォームです。従来の動画とは一線を画し、視聴者が直接タップやクリックできるアクションを動画に追加できます。視聴者のエンゲージメントを高め、オウンドメディアやECサイトなどでのコンバージョンを向上させることが可能です。
また、MILでは、50以上の項目で視聴動向を分析し、編集や改善を素早く行なえます。また、埋め込みタグや公開用URLが自動で生成され、Webサイトやメール、QRコードなどさまざまなチャンネルでの配信も可能です。
さらに、MILのカスタマーサクセスチームが、KPI設定からレポート作成、動画改修のコンサルティングまで実施するサポートも提供しています。
2.Adobe Captivate
Adobe Captivateは、専門的な知識がなくても高品質なインタラクティブ動画を制作できる動画制作ソフトです。豊富なテンプレートとカスタマイズオプションを提供しており、HTML5のコードやJavaScriptの知識は不要です。
作成したコンテンツは、HTML5に対応しているデバイスに公開できます。また、Adobe Captivate Primeと組み合わせて、eラーニングコースを配信することも可能です。個人向けのサブスクリプションは、月額4,510円で利用できます。
3.YouTube
Youtubeでは、無料でインタラクティブ動画を作成できます。例えば、通常の動画に「カード機能」や「終了画面機能」を挿入し、関連コンテンツやリンクを表示させることが可能です。
カード機能では、動画や再生リスト、チャンネル、外部Webサイトへのリンクを動画内に挿入できます。終了画面機能で、動画の最後にほかの動画へのリンクやチャンネル登録ボタン、外部リンクの設置が可能です。
4.Eko Studio
Eko Studioは、無料で利用できるインタラクティブ動画制作ツールです。日本語には現在対応していませんが、使いやすいUIとドラッグ&ドロップで直感的に操作できる編集ツールを備えており、一度使い方を覚えれば自由に動画制作を行なえます。
無料でありながら、動画内のリンク設置やストーリー分岐などの設定が可能であり、機能が充実しています。Eko Studioは特に、初心者や予算に制約のあるプロジェクトにおすすめです。
また、動画のアクセス分析も行なえるため、クリエイティブの改善やマーケティング施策の最適化をしたい方にも向いています。
インタラクティブ動画のおもな活用シーン
インタラクティブ動画は、採用や教育・研修、プロモーションなど多様なシーンで活用されています。具体的な活用シーンを見ていきましょう。
採用
会社紹介用のインタラクティブ動画内に情報別のリンクを設置することで、求職者は興味のある情報に絞った視聴ができます。また、視聴データの分析を通じて、求職者のニーズを把握することも可能です。
株式会社マグナムメイドサービス様のインタラクティブ動画では、求職者が求める働き方ごとに、各社員のインタビューや仕事風景に遷移できる仕組みになっています。
求職者は自分に合った情報を選択でき、会社の理念や働き方をより深く理解することも可能です。企業側としては視聴者が選択した情報をデータとして収集し、採用活動に活かせます。
教育・研修
教育や研修でインタラクティブ動画を利用すると、受講者が能動的に学習できます。理解度に応じたコンテンツのカスタマイズができるため、より効果的な学習が可能です。学習進捗のデータ管理により、進捗確認や適切なフィードバックも行なえます。
外務省では、日本の政府開発援助(ODA)の理解を深めるために、インタラクティブ動画を活用しています。「鷹の爪団の 行け!ODAマン」というプロジェクトでは、人気アニメ「秘密結社 鷹の爪」とコラボし、政府開発援助(ODA)をわかりやすく解説しています。
動画コンテンツや、ODAシミュレーションゲームを通じて、ODAの重要性や成果を広く伝えることに成功している事例です。
プロモーション
インタラクティブ動画は、商品やサービスの魅力を効果的に伝える手段としても広く活用されています。
商品の使用感を伝えることで、視聴者の購買意欲を高めることが可能です。また、動画内でクリックやタッチをすると商品の詳細ページに移行でき、購入意欲が低下しないうちに購入できます。
このように、インタラクティブ動画で視聴者の興味関心を深め、関連サイトへのリンクを設置することで、ランディングページやWebサイトのコンバージョン率向上につながります。
例えば、学習院大学のインタラクティブ動画では、画面をタップすると「社会科学教育」「英語教育」「海外研修」などの異なる項目が表示されます。
各項目を選択すると、それぞれ専用の紹介動画が流れる仕組みです。視聴者は自分の興味や必要な情報に直接アクセスできるため、効率的に情報を取得できます。
インタラクティブ動画の制作はプロに依頼するのがおすすめ
インタラクティブ動画の制作には、専門知識と技術が必要です。自作すると期待した効果が得られない場合があるため、制作はプロに依頼するのがおすすめです。
Shibuya Movieは「映像をもっと、シネマティックに」をコンセプトに掲げ、商品や企業の魅力を独自の世界観で表現しています。
映画のような映像表現により、従来の宣伝動画とは一線を画す印象深いコンテンツの作成が可能です。また、企画から納品までの全工程を一貫して同じチームが担当するため、コンセプトのブレを防げます。
100万円からのBasicPlanでインタラクティブ動画制作が可能ですので、興味のある方は気軽にお問い合わせください。
なお、過去の制作実績は以下からご覧いただけます。
インタラクティブ 動画の制作事例・実績 | 動画制作のShibuya Movie
まとめ
視聴者体験型のインタラクティブ動画は、スマートフォンの普及や通信回線の高速化、各種動画プラットフォームの増加などにより、今後さらに広がっていくことが予想されます。
インタラクティブ動画は、エンゲージメントやコンバージョン率の向上、認知度の拡大などの効果が期待できます。実際、採用活動や教育・研修、プロモーションなど、さまざまな場面で活用されていますが、十分な効果を得るためには、しっかりと計画を立てたうえで制作を進めることが大切です。
自作できるツールも登場していますが、インタラクティブ動画の制作には、まだまだ専門的な知識や技術が必要です。そのため、制作はプロに依頼するとよいでしょう。
Shibuya Movieは、シネマティックな映像表現を通じて、他社との差別化を図るインタラクティブ動画の制作をしています。
商品紹介や採用活動、企業PRなど幅広い動画制作に対応可能です。表現力豊かな映像で、他社との差別化を図りたい方は、Shibuya Movieにご相談ください。