映像制作・動画制作のコラム
2022年11月25日 最終更新日:2025年11月5日
30秒CMの作り方|動画制作のポイントやアイデアが出ないときの解決法を紹介

近年、スマートフォンやSNSの普及により、日常的にYouTubeなどで動画を視聴することが一般的になりました。これにより、動画広告市場の戦国時代ともいえる現在は、短尺動画の需要がますます高まっています。
短尺動画のなかでも、15秒動画は短くて最後まで見てもらいやすいことやSNSで拡散されやすいことが魅力です。一方、30秒CMは商品やサービスの魅力を伝えやすく、さまざまな媒体で活用できるという強みがあります。
本記事では、15秒・30秒動画のメリットや30秒CMの作り方、制作時のポイント、アイデアの出し方を解説します。併せて、WebCMとテレビCMの違いや社内制作と外注の比較、30秒CMの事例なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
まずは15秒動画のメリット3つ
15秒動画とは、再生時間が15秒以内に収まる動画コンテンツのことです。 はじめに、15秒動画のメリットを3つ紹介します。
- ●印象に残りやすい
- ●コストが抑えられる
- ●SNSでの拡散を狙える
印象に残りやすい
動画コンテンツは「冒頭の5秒が肝」といわれるように、短時間で視聴者の関心を引きつけることが重要です。その点、15秒という尺は、メッセージを効果的に伝えるのに十分な長さとされています。
短いからこそ最後まで視聴してもらいやすく、視聴者の印象に残りやすい点は、15秒動画の大きなメリットです。
SNSでの拡散を狙える
15秒動画は、再生時間が短いことでデータのやりとりに時間がかからず、手軽に共有できます。 その手軽さから、InstagramやTikTokなどの短尺動画が主流のSNSで拡散されやすいというメリットがあります。
コストが抑えられる
尺が短い分、制作にかかる時間やコストを抑えられるのも、15秒動画のメリットです。
さらに、視聴者がSNSで拡散してくれる可能性があることを考えると、プロモーション全体の費用も軽減できます。
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15秒動画制作時のポイントと事例

ここでは、15秒動画を制作する際のポイントと事例を紹介します。
- ●インパクトを残す構成になるように特に意識する
- ●15秒動画の事例
インパクトを残す構成になるよう特に意識する
15秒でインパクトを残すためには、動画のパターンを意識することが重要です。
例えば、「ユーザーの悩みの解決策を提示する」「お得なキャンペーン情報を大胆に打ち出す」「自社商品やサービスの魅力をとことんアピールする」などパターン化し、見せ方や構成を決めていくのが得策です。
15秒動画の事例
株式会社ニトリが展開するYouTube Shortsの製品紹介動画は、短尺ながら高い再生回数を誇り、企業ブランディングにも大きく貢献しています。
特に注目すべきは、15秒という限られた時間の中で、視聴者の興味を引く構成が徹底されている点です。動画の冒頭3秒で「何の動画か」「どこが面白いのか」が明確に伝わるため、スクロール中のユーザーの目を止める設計になっています。
さらに、動画内では実際に製品を使用しているシーンが含まれており、視聴者に対して商品の実用性や使用イメージを直感的に伝えることができます。これにより、購買意欲を高める効果も期待できます。
ニトリではこのような商品紹介動画をシリーズ化して継続的に配信しており、どの動画も一定以上の再生回数を記録しています。これは、YouTube Shortsを活用した動画マーケティングの成功事例として、他企業にとっても参考になる取り組みと言えるでしょう。
30秒動画のメリット3つ
続いて、30秒動画のメリットについて解説します。
- ●汎用性が高い
- ●商品・サービスの購買意欲を刺激できる
- ●ブランディングにつながる
汎用性が高い
30秒動画は、Web動画広告だけでなく、公共交通機関のデジタルサイネージ広告や、商材を紹介する特設ページなど、汎用性の高さがメリットといえます。
また、30秒動画は、多くのSNSで規程されている広告尺に対応しており、プラットフォームごとに再構成する必要がないケースがほとんどです。
1本の動画を制作すれば、各SNSにそのまま出稿ができる点は、大きなメリットであるといえます。
商品・サービスの購買意欲を刺激できる
30秒動画は、短すぎず長すぎない尺で、 商品やサービスの特徴や使い方をしっかりと説明できるため、購買促進を高めることができます。
また、デモンストレーション動画やハウツー動画など、補足情報を発信する際にも適しており、視聴者の理解を深めることで、購入や利用への意欲を後押しします。
ブランディングにつながる
動画は文字よりも多くの情報を伝えられ、企業や商品の魅力を視覚的にイメージしてもらいやすいのが特徴です。
なかでも30秒動画は、15秒動画よりも表現できる情報量に余裕があり、より深く世界観やイメージを伝えることができます。
例えば、自社のカラーに合った動画を制作してホームページに掲載することで、訪問者へのブランディングにつながります。
30秒CMの作り方

30秒という限られた時間で視聴者にメッセージを届けるには、制作の流れを押さえておくことが大切です。
以下では、30秒CMを制作する際の基本的な5つの手順を解説します。
- 1.制作する目的を決める
- 2.ターゲットを設定する
- 3.配信先を決める
- 4.構成決め&絵コンテ・台本の作成をする
- 5.撮影・編集する
1.制作する目的を決める
まずは、30秒CMを制作する目的を明確にしましょう。自社や商品の認知度向上、販売促進、企業イメージの向上など、目的によって動画の方向性が大きく変わります。
目的が定まると、動画の内容やトーン、表現方法に一貫性が生まれるため、視聴者に情報が伝わりやすくなるでしょう。さらに、目的が明確であれば効果測定もしやすくなり 、動画制作後の改善につなげることができます。
2.ターゲットを設定する
年齢層や性別、ライフスタイル、趣味嗜好など、具体的なターゲット像を設定しましょう。
ターゲットは配信先や構成・演出を決める際の軸となり、制作目的と同様に全体の一貫性を保つうえで重要です。そのため、効果的なCMを制作するには、ターゲットを明確にする必要があります。
3.配信先を決める
続いて、TwitterやYouTube、Google広告、テレビなど、30秒動画の配信先を決めましょう。
配信先によって利用者層や好まれる動画のテイストが異なるため、ターゲットに合わせて選定することが重要です。例えば、ターゲットが若年層であればSNS 、中高年層であればテレビがより効果的です。
また、配信先によって動画のフォーマットやサイズ、再生時間の規程が異なるため、事前に確認しておきましょう。
なお、テレビCMの場合は、ターゲット像に合わせて放映する時間帯や番組枠を選ぶことも大切です。
4.構成決め&絵コンテ・台本の作成をする
魅力的な動画に仕上げるには、ターゲットや制作目的を軸に、全体の構成をしっかりと決めることが大切です。情報の順序を整理し、視聴者の印象に残る、わかりやすい流れを考えましょう。
構成がまとまったら、絵コンテ・台本を作成します。

絵コンテは設計図のようなもので、各シーンの映像イメージやカメラワーク、セリフ、ナレーション、カットごとの尺などを視覚的に示すものです。 絵コンテを詳細に作り込むことで、チーム内で完成イメージが共有でき、 撮影や編集作業をスムーズに進めやすくなります。そして、作成された絵コンテをもとに、台本を作ります。
5.撮影・編集する
構成や絵コンテ・台本が整ったら、いよいよ撮影や編集作業に入ります。短い時間で理解しやすい動画を作るには、実写映像のほか、アニメーションやイラストを活用するのも一つの方法です。
動画に必要な素材がそろったら、絵コンテに沿って編集を進め、BGMやテロップを加えます。映像のテンポや音声のバランスも印象を大きく左右するため、丁寧な調整が欠かせません。
動画が完成したら、制作の目的やターゲットに沿っているかを再確認し、必要に応じて修正しましょう。
30秒動画制作時のポイント
ここでは、30秒動画の制作時に意識するべきポイントを詳しく解説します。
- ●冒頭5秒に特に力を入れる
- ●ストーリー性のある動画構成にする
- ●伝えたいメッセージは1つに絞る
- ●テンポの良い編集を意識する
- ●見たくなるようなサムネイルを設定する
冒頭5秒に特に力を入れる
30秒動画は、最初の5秒で視聴者の心をつかめるかどうかが重要です。冒頭で興味を引けなければ、最後まで見てもらえない可能性があります。
そのため、キャッチコピーやインパクトのある映像を盛り込み、視聴者に「続きが気になる」と思わせるような工夫をしましょう。
ストーリー性のある動画構成にする
30秒という短い時間のなかでも、ストーリー性のある構成にすることで、視聴者の共感や関心を引き出しやすくなります。
最も伝えたい情報を軸に起承転結を意識して場面を展開すると、内容にまとまりが生まれて、印象に残りやすい動画に仕上がります。
伝えたいメッセージは1つに絞る
シンプルで明確なメッセージは記憶に残りやすく、訴求力を高めます。30秒動画に複数のメッセージを詰め込みすぎると、結果として何を伝えたいのかがぼやけてしまいます。
伝えたいメッセージを1つに絞り、それを中心に据えた構成にすることで、視聴者に強く印象付けることが可能です。
テンポの良い編集を意識する
30秒動画を最後まで視聴してもらうには、テンポの良さを意識して編集することが大切です。冗長なシーンは積極的にカットし、「間」をなくすことで、映像のテンポが良くなります。
ただし、すべての動画に速いテンポが適しているとは限りません。商材の特性や制作の目的、ターゲットに応じて、最適な構成や展開スピードを見極めることが大切です。
併せて、BGMやテロップを効果的に取り入れると、より視聴者を飽きさせにくい動画に仕上がります。
見たくなるようなサムネイルを設定する
視聴者が思わず見たくなるようなサムネイルを設定することも、30秒動画の制作において大切です。
サムネイルは、視聴者が動画を再生するかどうかを判断する際の大きな要素となります。興味を引くビジュアルや内容が一目でわかる文字を組み合わせるなどの工夫をして、クリックをうながしましょう。
WebCMとテレビCMの違い
WebCMとテレビCMには、ターゲティング精度や動画内容、視聴媒体、動画の尺、コスト面で大きな違いがあります。以下の表では、それぞれの特徴をまとめました。
| WebCM | テレビCM | |
|---|---|---|
| ターゲティング精度 | 年代・性別・職業・興味関心など細かいターゲティングが可能 | 幅広い層に届くが、絞り込みは難しい |
| 動画の内容 | 特定ユーザー向けに自由度の高い内容を制作可能 | 幅広い層に向けた汎用的な内容が求められる |
| 視聴媒体 | YouTubeやSNS、Webメディアなど多様な媒体 | テレビ放送のCM枠のみ |
| 動画の尺 | 5秒~数分まで 自由に設定可能 | 一般的に15~30秒程度 |
| 映像制作・配信コスト | テレビCMよりも安価で、配信は数万円からはじめられる | 制作費・放送費ともに高額で、トータルで数千万円になることもある |
WebCMは低コストでターゲットを絞った配信ができる一方、テレビCMは幅広い層への認知拡大に向いています。目的や予算に応じて、適切に使い分けることが重要です。
アイデアが浮かばない!そんなときの対処法
30秒動画のアイデアが浮かばないときは、以下の方法を試してみましょう。
- ●さまざまなジャンルの動画を見る
- ●ターゲット層の悩みをヒントにする
- ●「普通」にとらわれず、別の視点で考える
- ●他部署の従業員に相談する
インプットは、良いアイデアを生み出すために欠かせません。さまざまなジャンルの動画を数多く見て発想力を磨くと、新しい切り口が思い浮かぶようになるでしょう。また、ターゲット層の悩みや課題に目を向けると、その課題の解決につながる動画の企画が立てやすくなります。
「普通」にとらわれない柔軟な発想も大切です。視点を変えることで、ユニークなアイデアが生まれる可能性があります。さらに、他部署の意見を取り入れるのも有効です。自分では思い付かない視点やアプローチを得られ、発想の幅が広がります。
30秒CMは社内で作るのと外注するのではどちらがいい?

30秒CMの制作には、大きく分けて「社内で作る方法」と「外注する方法」の2通りがあります。
それぞれにメリットがあるため、自社の状況や目的に合った方法を選択しましょう。
社内で作る場合
社内で30秒CMを制作する場合、自社の人材や設備を活用して動画を制作します。
社内で作るメリット
社内で動画を制作するメリットは、ノウハウを社内に蓄積できる点です。一度制作を経験すれば、次回以降の制作がスムーズになり、継続的な動画マーケティングに活かすことができます。
また、制作会社を探す手間がかかりません。外注費用やコミュニケーションコストも抑えられるため、大きな予算を割けない企業にとっては有効な手段といえるでしょう。
アプリケーションでも作成可能
30秒CMは、スマートフォンのアプリケーションを使用して、手軽に作成することも可能です。無料で使えるものや、初心者でも直感的に操作できるものも多く提供されています。
ただし、どのアプリケーションを使うかは、作りたい動画の内容や目的によって異なります。実写中心かアニメーション中心か、テキストやグラフィックを多用するかなど、構成を明確にしたうえでツールを選ぶことが大切です。
外注する場合
外部の動画制作会社に依頼する方法は、プロクオリティの仕上がりを求めたい場合に有効です。
外注するメリット
外注する場合のメリットは、訴求力の高い高品質な動画が制作できる点です。プロのノウハウや技術を活かすことで、自社制作では難しい表現や演出も実現できます。
また、外注すると、本来の業務に割くべき時間とリソースを確保できることも魅力です。一から動画制作について学ぶ時間を社内で取る必要がなく、短期間で完成度の高いCMを用意することができます。
外注業者の選び方
外注業者を選ぶ際は、いくつかのポイントを確認する必要があります。
- ●実写とアニメーションのどちらを得意としているか
- ●自社の求める動画に近い制作実績があるか
- ●費用が相場とかけ離れていないか
- ●適切な提案や丁寧なコミュニケーションが期待できるか
こうしたポイントを踏まえて比較・検討することで、自社に合った外注先を見つけやすくなります。
30秒CMの事例
効果的な30秒CMを制作するためには、実際の成功事例を参考にすることが重要です。
ここでは、さまざまな業界や表現手法で制作された30秒CMのなかから印象的な事例を厳選し、それぞれの特徴や魅力を紹介します。
株式会社パイロットコーポレーション「V BOARD MASTER/カートリッジ詰め替え」編
商品カートリッジの詰め替え手順をチュートリアル形式で紹介した動画です。
言葉を使わずとも直感的に理解できる構成で、シンプルながらも商品特性を的確に訴求した、実用性の高い仕上がりとなっています。
新潟空港「新潟へ帰ろう」
新潟の魅力をPRするために制作された動画です。
映画のワンシーンのようなクオリティと、結末を視聴者に委ねるようなストーリー構成によって、新潟に対する郷愁を想起させる演出が際立っています。
宝印刷株式会社「挑む、進む、ともに」
テンポ良く切り替わるシーンが印象的な本動画は、企業の未来を支える存在としての姿勢を描き、会社の信頼感やブランドメッセージを自然に伝えています。
短い尺ながらもダイナミックな映像と力強いメッセージを届ける、企業ブランディング動画です。
アスクル株式会社「仕事場の日用品はアスクル」
こちらの動画は、オリジナルのBGMに合わせて、オフィス用品に関する悩みをQ&A形式で紹介している点が特徴です。
実用性に優れたアイテムの魅力を軽快な歌に乗せて伝えることで、「こんなの欲しかった」と思わせるような共感を引き出し、視聴者の記憶に残りやすい構成となっています。
気の利いたアイテムがそろうブランドとしての印象と、企業の親しみやすさが伝わる、完成度の高いブランディング動画です。
セコム株式会社「夢の対決」編
有名野球選手の力強いプレー映像とともに、企業姿勢を表現したブランディング動画です。「挑戦を支える、安心をつくる。」というキャッチフレーズからも、企業メッセージが鮮明に伝わります。
スポーツの熱量と、セキュリティサービスに対する信頼性を重ね合わせたような演出が印象的な30秒CMです。
アサヒ飲料株式会社 三ツ矢サイダー「クリスマスのおつかい」編
心温まるアニメーションで描かれた本動画は、少女のおつかいから家族とのクリスマスパーティーまでを丁寧につづった物語を通じて、商品の魅力を伝えています。
大切な時間に寄り添う存在としての商品価値を表現した、感情に訴えるストーリーテリングの好例です。
まとめ
30秒CMは、短い時間で視聴者に強い印象を与える広告手法の一つです。効果的な動画を制作するには、構成・演出・編集のすべてに工夫が欠かせません。
また、冒頭数秒で視聴者の目を引く演出や、メッセージを1つに絞るなど、ポイントを押さえることで訴求力は大きく変わります。アイデアに悩んだ際は、成功事例を参考にしながら発想を広げていくのも効果的でしょう。
Shibuya Movieでは、企画から撮影・編集までを一貫して対応し、目的やターゲットに合わせた高品質な動画を制作しています。シネマティックなCMや動画制作をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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