映像制作・動画制作のコラム
2024年10月7日
2024年の動画広告市場はどうなる?最新の市況と動向を紹介
近年、YouTubeをはじめとする動画サイトの成長とともに、動画広告は急速な拡大を続けています。
スマートフォンやタブレットを使い、多くの人が日常的に多数の動画広告に触れており、広告制作を検討するうえで動画広告は決して無視できません。
本記事では、成長する動画広告市場の調査結果をもとに、2022年・23年の動向と成長、2024年以降に見込まれる成長について解説します。
また、動画広告を導入するメリットも併せて紹介しますので、動画広告への参入を検討する企業担当者の方はぜひご一読ください。
目次
動画広告とは
動画広告とは、動画を利用したWeb広告のことです。詳細は後述しますが、動画広告にはテキストベースの広告にはないさまざまなメリットがあります。
動画広告を利用できる、主要プラットフォームと特徴は次のとおりです。
YouTube |
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X(旧Twitter) |
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TikTok |
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LINE |
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交通広告 |
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過去の動画広告市場
株式会社サイバーエージェントと株式会社デジタルインファクトが共同で実施している「国内動画広告の市場調査」により、動画広告市場の拡大・成長状況が明らかになっています。
2022年と2023年の調査結果をもとに、動画広告市場を取り巻く状況について解説します。
2022年
2022年の動画広告市場において、どのような動向や成長があったのでしょうか。同企業が調査した「2022年国内動画広告の市場調査」をもとに、デバイス別と広告商品別に解説します。
デバイス別
2022年における動画広告市場は5,601億円を達成し、前年比から133.2%という成長と遂げています。
2022年には、2月に発生したウクライナ危機とエネルギー価格の高騰、円安の加速など不透明感が漂う状況でした。
しかし、インターネット広告市場は堅調に成長しており、静止画から動画へと移行していた時期でもあります。
テレビ番組の見逃し配信ができる「TVer」や「ABEMA(アベマ)」など、新たな動画配信サービスの利用者も増加しました。
さらに、ショート動画が若年層に支持されたことを受け、大手広告プラットフォームでは新たな広告フォーマットの開発に着手しています。
参照:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施
広告商品別
広告商品別に見ると、2022年にはYouTubeなどのインストリーム広告の需要が一気に高まりました。
参照:サイバーエージェント、2022年国内動画広告の市場調査を実施
動画サイトにおける動画広告の種類には、インストリーム広告、インフィード広告、インバナー広告があります。各広告の特徴、用途は次のとおりです。
広告の種類 | 特徴 |
インストリーム広告 |
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インフィード広告 |
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インバナー広告 |
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2023年
次に「2023年国内動画広告の市場調査」をもとに、動画広告市場の動向や成長をデバイス別、広告商品別、縦型動画広告の需要の観点から解説します。
デバイス別
2023年における動画広告市場規模は6,253億円で、前年比は112%という結果でした。スマートフォン向けの動画広告の需要が特に高く、市場規模は5,048億円。全デバイスの約実に8割を占めている状況です。
なお、コネクテッドテレビにおける動画広告需要も、2022年と比べて成長している傾向が見てとれます。「スマートフォンではなく大きい画面で見たい」と思えるコンテンツも増えていることが、コネクテッドテレビの普及を後押ししているといえます。
参照:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
広告商品別
動画の広告商品に関しては、2022年に引き続きインストリーム動画広告の需要が増加しました。
一方、スマートフォン向けに提供されているインバナー広告の需要は、2023年を境に堅調が続いている傾向です。
インバナー広告はWebサイトに動画広告を配信できるため、動画サイトを見ないユーザーにリーチできるのが魅力です。
参照:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
縦型動画広告の需要
2023年は縦型動画広告の需要が急増した年で、市場規模は526億円、前年比156.3%という驚異の伸び率を達成しました。
縦型動画広告の需要が増加した理由に、ショート動画コンテンツの視聴時間が急増したことが挙げられます。広告主の企業においても、SNSや動画配信サイトで縦型動画を用いたコミュニケーション需要も急増している状況です。
参照:サイバーエージェント、2023年国内動画広告の市場調査を発表
動画広告市場が拡大し続けている理由
紙媒体の広告から、インターネット広告、動画広告へと、広告は時代に合わせた変貌を遂げています。動画広告市場が拡大を続けている背景には、以下の3つの理由が挙げられます。
スマートフォンやSNS動画の普及
動画配信サイトの登場に加え、スマートフォンなどのモバイルデバイスとSNS動画の普及で動画をいつでも視聴できるようになりました。動画広告市場において、動画視聴が日常になったことは大きな追い風です。
SNS動画の普及に関しては、TwitterCasting(ツイキャス)やMixChannel(ミクチャ)などのライブ配信アプリによる生配信が人気を集めました。
さらに、TikTokなどのショートムービー、Instagramのリールなど、短い尺の動画を投稿できるプラットフォームが増えたことも動画広告が躍進する要因に挙げられます。
動画コンテンツの増加
動画は画像やテキストに比べ、短時間で多くの情報を伝えることが可能です。テキストで説明するには長い文章や写真が必要なことでも、動画であれば数秒で伝えられるケースは少なくありません。
また、画像やテキストと比べ、動画を視聴したほうが記憶に残りやすいという研究結果もあります。動画広告をはじめ、自社のコンテンツやランディングページなど、さまざまな業界でコンテンツの動画化が進んでいる状況です。
通信速度の高速化
動画広告が普及した理由に、通信速度の高速化と5Gの導入も挙げられます。
以前の4Gと5Gを比較すると、データの通信容量は1,000倍、通信速度は100倍と大幅な進化を遂げています。
通信速度の高速化で動画をスムーズに視聴でき、動画コンテンツがより身近になりました。
さらに5Gでは複雑で高度な動画配信も可能なため、通信速度の高速化は動画広告の市場拡大に大きな影響を与えたといえるでしょう。
2024年の動画広告市場と今後見込まれる成長
前述した動画広告の市場調査によると、2024年の動画広告市場規模は7,209億円に達する見込みです。さらに、2024年~2027年における、動画広告市場規模の予測は次のとおりです。
年次 | 市場規模予測(億円) |
2024 | 7,209 |
2025 | 8,213 |
2026 | 9,251 |
2027 | 10,228 |
2024年以降の動画広告において、見込まれる成長について解説します。
動画広告の需要は拡大へ
2023年国内動画広告市場調査によると、動画広告の市場規模は、2027年には1兆228億円に達する見込みです。
スマートフォンの利用者だけでなく、コネクテッドテレビ利用者の増加も動画広告の需要拡大に影響すると考えられます。
コネクテッドテレビはユーザーの興味・関心に合わせたコンテンツを視聴できるため、ターゲット層に合わせた動画広告を制作することも可能です。
縦型動画広告が成長傾向
縦型フォーマットの動画は、スマートフォンとの相性が良好のため、縦型動画の広告は、今後も需要が増加すると見込まれます。
今までの動画広告は、パソコン画面で見ることを想定した横向きの動画が基本でした。しかし、スマートフォンなどのモバイル端末が普及し、スマートフォンの向きを変えずに視聴できる縦型動画が急速に成長した背景があります。
縦型動画の広告市場規模に関しては、2024年以降もさらに成長が続くことが見込まれています。
動画広告を導入するメリット
紙媒体などの従来の広告とは異なり、動画広告には以下のメリットがあります。自社で動画広告の導入を検討している場合は、あらかじめメリットを把握しておきましょう。
情報やストーリーを伝えやすい
動画を広告に活用することで、紙媒体とは比べものにならないほど多くの情報を短時間で伝えられます。
テキストと比較すると画像は7倍ですが、動画になると5,000倍もの情報を伝えることが可能とも言われます。1分間の動画の情報量をテキストに換算すると、180万文字もの情報がある計算です。
話し手が聞き手に与える影響については、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%を占める「メラビアンの法則」があります。
動画は視覚情報、聴覚情報、言語情報のすべてを兼ね備えているため、その点から見ても多くの情報を伝えられることがわかります。
また、映像のもう一つのメリットは、広告にストーリーを取り入れられることです。ストーリーを取り入れることで、商品を使った状況をイメージでき、商品の魅力が伝わりやすくなります。
ターゲット層にアプローチしやすい
動画広告のプラットフォームは、詳細な条件を設定したうえで視聴者のターゲティングが可能なものがあります。例えば、視聴者の年齢や性別、収入、住まいの地域、興味・関心などです。
さまざまな条件でターゲティングができるため、狙ったターゲット層に刺さる広告を配信しやすいメリットがあります。
ただし、動画広告を制作する前に、ターゲットを明確にすることが重要です。商品に興味がある人の属性を洗い出し、行動パターンも考慮して動画広告を制作しましょう。
認知拡大を狙いやすい
動画広告はSNSとの相性が良く拡散性も高いため、ブランドや商品の認知度を向上させる手段としても有効です。SNSは拡散性が高く、新たなユーザーの認知につなげやすい特長があります。
幅広い層に自社の商品やサービスの認知を拡げることができれば、コンバージョンにもつながる可能性があります。認知の拡大を狙うときは、ターゲット層がよく利用するプラットフォームを利用しましょう。
効果検証をしやすい
動画広告のプラットフォームには、さまざまな指標が数字で表示されます。具体的な指標としては、以下のものが挙げられます。
- ●広告の表示回数(インプレッション数)
- ●再生数
- ●再生時間
- ●広告のクリック数
- ●コンバージョン数
- ●視聴率
さまざまなデータがあり、効果検証を行ないやすい点は、動画広告ならではのメリットです。データを活用してPDCAを効率的に回すことができれば、ターゲット層に最適な動画広告の施策を取り入れることが可能です。
まとめ
スマートフォンとSNS、動画サイトの普及などで誕生した動画広告は、2022年のインストリーム広告から2023年の縦型動画広告の普及など拡大を続けています。
動画は短時間で多くの情報量を伝えられるため、ターゲット層に商品やブランドを効果的にアピールできます。
また、動画広告プラットフォームではさまざまな指標をデータで取得できるため、ターゲット層に合う施策を講じることも可能です。
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