映像制作・動画制作のコラム
2025年12月24日
YouTube動画の分析方法とは?チェックするべきポイントと改善・活用方法も解説

YouTube動画を投稿してチャンネルを効果的に成長させるためには、投稿後の分析が欠かせません。この記事では、YouTube公式の分析ツールである「YouTubeアナリティクス」を活用した基本的な分析方法からチェックすべき主要指標と改善方法、ツール活用時の注意点までを詳しくまとめました。さらに、動画制作・チャンネル運営への具体的な活用事例も併せて紹介します。
ぜひ参考にしながら、チャンネル運営に役立つ実践的な分析スキルを身に付けましょう。
目次
YouTube動画で分析が重要な理由

YouTubeチャンネルの成長には、動画ごとのパフォーマンスを定量的に分析することが不可欠です。特に企業や事業者がYouTubeマーケティングを行なう場合、分析結果に基づいて改善策を継続的に実施することが、成果を左右する重要な要素となります。
単に視聴回数だけを指標にしていては、本質的な改善にはつながりません。YouTubeアナリティクスなどのツールを活用し、視聴者の行動傾向や動画ごとの強み・弱みを把握することが重要です。
実際に、成功しているチャンネルでは平均視聴時間やクリック率、離脱ポイントなどの指標をベースに、コンテンツの構成やサムネイル、タイトルを改善し続けています。
動画ごとの良い点や課題、視聴者の興味・属性などを綿密に観察し、改善や今後の戦略に活かす姿勢が、チャンネルの持続的な成長を支える鍵です。
こうした分析と改善の積み重ねによって、再生数や登録者数の増加だけでなく、売上アップやブランド認知といった事業目標の達成にもつながっていきます。
YouTubeアナリティクスを使った分析の基本

YouTubeアナリティクスは、チャンネル運営や動画投稿の成果を最大化するために欠かせないツールです。ここでは、YouTubeアナリティクスの概要や具体的なアクセス方法、得られるデータについて解説します。
YouTubeアナリティクスとは

YouTubeアナリティクスとは、YouTubeに投稿した動画やチャンネル全体のパフォーマンスを総合的に可視化できる公式の分析ツールです。YouTubeの管理画面の「YouTube Studio」にアクセスすることで、以下のような多角的なデータを確認できます。
- ●チャンネル全体および動画ごとの視聴回数や総再生時間
- ●視聴者の属性(年齢・性別・地域など)
- ●チャンネル登録者の増減
- ●コメントや共有された数
- ●サムネイルやタイトルが見られてクリックされた割合
- ●チャンネルや動画へのアクセス経路
- ●人気のある動画
- ●視聴者の行動形態
- ●収益データ(YouTubeパートナープログラム参加者のみ) など
これらのデータは「概要」「コンテンツ」「視聴者」などのタブに分類されており、動画単位・チャンネル単位の両方で分析が可能です。視聴者の行動や反応を定量的に把握することで、コンテンツの改善や投稿戦略の最適化に役立ちます。
YouTubeアナリティクスはデータの正確性と網羅性が高く、チャンネルの成長や動画改善のための意思決定に欠かせない基本ツールといえるでしょう。
YouTubeアナリティクスはどこから見る?
パソコンの場合は、YouTubeにログイン後、画面右上のプロフィールアイコンをクリックして「YouTube Studio」に入ります。そして、左側メニューから「アナリティクス」を選択すると、チャンネル全体や動画ごとのパフォーマンスデータが表示されます。
スマートフォンでは、「YouTube Studio」アプリをインストールしてチャンネルがあるアカウントにログインし、画面下部のメニューフッターから「アナリティクス」をタップすることで同様のデータを閲覧可能です。
なお、「詳細モード」を利用すると、視聴者属性、トラフィックソース、クリック率、視聴維持率など、より細かな指標をグラフや表形式で確認できます。GoogleスプレッドシートやCSV形式でデータをダウンロードすることも可能なので、社内報告やクライアント提出用の資料作成時などにも便利です。
YouTubeアナリティクス分析で何がわかる?
YouTubeアナリティクスでは、チャンネル全体や動画単位のパフォーマンスを多角的に分析できます。チャンネル全体のアナリティクス画面には「概要」「コンテンツ」「視聴者」「トレンド」のタブが用意されており、動画単位では「概要」「リーチ」「エンゲージメント」「視聴者」のタブが表示される仕組みです。
それぞれのタブでは、以下のような主要指標を確認できます。
| タブ | 内容 |
|---|---|
| 概要タブ | 過去28日間の視聴回数、登録者数の増減、リアルタイムでの再生状況など、チャンネルの進捗を把握できます。期間は自由に設定可能です。 |
| コンテンツ/リーチタブ | インプレッション数、クリック率、ユニーク視聴者数、トラフィックソース(YouTube検索、関連動画、外部サイトなど)を確認でき、視聴者がどの経路で動画にたどり着いたかを分析できます。 |
| エンゲージメントタブ | 総再生時間、平均視聴時間、視聴維持率、高評価数などから、動画を視聴していた時間を確認できます。 |
| 視聴者タブ | 年齢・性別・地域・使用デバイスや、総再生時間を可視化できます。 |
特に重要なのは、動画単位での分析です。個別動画の視聴維持率や離脱ポイント、クリック率などを把握することで、具体的な改善点を見つけやすく、結果的にチャンネル全体の成長につながります。
なお、YouTubeアナリティクスでは取得できるデータが非常に多いため、すべてを網羅的に見るのではなく、目的に応じて指標を絞り込むとよいでしょう。
YouTube動画の分析で特に注目するべき7つのポイントと改善方法

YouTube動画のパフォーマンスを向上させるために活用できる指標はさまざまです。そのなかでも、効果的な改善のために重要な7つのポイントと改善方法を紹介します。
- 1.視聴回数
- 2.インプレッション数
- 3.クリック率
- 4.視聴者維持率
- 5.視聴者属性
- 6.トラフィックソース
- 7.エンゲージメント率
1.視聴回数
視聴回数とは動画が再生された合計回数のことで、その動画の人気や認知度を測る基本的な指標です。再生回数が多い動画の共通点を分析することで、視聴者に響く内容やテーマを把握できます。
視聴回数が伸びない動画はサムネイルやタイトルの変更によって改善する可能性があります。以降の見出しでご紹介する2~7の改善策を実施した結果として回数が伸びてくることもあるため、対策の効果を測る指標としても活用するとよいでしょう。
2.インプレッション数
インプレッション数は、動画のサムネイルがYouTube内の検索結果や関連動画などで表示された回数のことです。この数が多いほど視聴される機会も多くなるため、視聴者に動画を見つけてもらいやすくするためにも重要な指標といえます。
なお、インプレッション数はYouTubeのアルゴリズムが「質の高い動画」と判断した場合に増加する傾向があります。改善策としては以下のような取り組みが効果的です。
- ●魅力的なサムネイルとタイトルの作成
- ●最適なキーワード選定
- ●YouTube広告の活用
- ●視聴者層に合ったインフルエンサーとのコラボ
3.クリック率(CTR)
クリック率(CTR)は、表示された動画が実際にクリックされた割合のことです。YouTubeでは、クリック率が高い動画ほど「視聴者の関心を引くコンテンツ」として評価され、より多くのインプレッション数を獲得しやすくなります。
インプレッション数が多いわりにクリック率が低い場合、サムネイルやタイトルが視聴者の関心を十分に引けていない可能性があります。サムネイルに視聴者が「見てみたい」と思うような魅力的な画像やテキストを入れたり、タイトルの左側に重要なキーワードを盛り込んだりする対策を講じるとよいでしょう。
4.視聴者維持率
視聴者維持率は、動画を最後まで視聴した方の割合を示す指標で、視聴者がどのタイミングで離脱したかも確認できます。
特に、タイトルやサムネイルが実際の内容と乖離している場合は視聴者の離脱が生じやすくなるため、視聴者維持率が急激に下がっている箇所があれば原因を探って改善することが重要です。例えば、動画の冒頭部分で離脱率が高いのであれば、オープニングのテンポや話題展開を見直すとよいでしょう。
視聴者維持率が高ければ、YouTubeアルゴリズムから「質の高い動画」と評価されやすくなり、関連動画やおすすめ欄への露出が増加します。その結果、インプレッション数やクリック率も上がりやすくなる仕組みです。
5.視聴者属性
視聴者属性では、年齢層や性別、居住地域、使用デバイスなど、動画を視聴しているユーザーの傾向を分析できます。ターゲット層と実際の視聴者層が異なる場合はマーケティングの効果を得られにくくなるため、コンテンツの内容や表現方法の見直しが必要です。
例えば、若年層向けに作った動画が中高年層に多く視聴されている場合、言葉遣いや構成の工夫が求められます。視聴者属性の指標を確認することで、視聴者の関心や好みに寄り添ったコンテンツ設計が可能となり、マーケティング施策の精度も高まるでしょう。
6.トラフィックソース
トラフィックソースとは、視聴者が動画やチャンネルに到達した経路を示す指標です。おもな流入元としては、YouTube検索、関連動画、ショート動画、外部サイトなどが挙げられます。
これらの流入経路を分析することで、どの導線が強みとなっているか、または改善が必要かを把握できます。例えば、検索経由の流入が少ない場合はタイトルや概要欄に適切なキーワードを配置し、SEO対策を強化するとよいでしょう。一方、ショート動画からの流入が多い場合は、縦型コンテンツの制作を増やすことで新規視聴者層へのリーチを拡大できます。
7.エンゲージメント率
エンゲージメント率とは、高評価(いいね)やコメント、共有、保存など、視聴者が動画に対して行なった能動的な反応を数値化した指標です。YouTubeでは、この率が高いほど「コンテンツの質が高い」とアルゴリズムに評価され、検索結果やおすすめ動画で上位表示されやすくなります。
エンゲージメント率を上げるための施策としては、動画内で「高評価やコメント、保存、共有をお願いします」などと伝えて視聴者のアクションを促したり、視聴者からのコメントに反応してコミュニケーションをとったりする方法が効果的です。
また、ノウハウ系などの実用的なコンテンツを制作し、視聴者が保存・共有したくなる情報を提供することも有効な改善策として挙げられます。
YouTubeアナリティクスの注意点
YouTubeアナリティクスはチャンネル運営や動画改善に欠かせないツールですが、データの特性や運用上の制約を理解したうえで活用することが大切です。ここでは、利用前に押さえておきたい3つの注意点を解説します。
- ●データが反映されるまでに時間がかかる
- ●データ分析は総合的・長期的に判断する
- ●競合分析は出来ない
データが反映されるまでに時間がかかる
YouTubeアナリティクスのデータは、動画公開後すぐに反映されるものではありません。視聴回数や視聴者維持率などの主要指標は、通常24~48時間かけて集計・反映されるため、公開直後の詳細な分析はできない点に注意が必要です。
ちなみに、リアルタイムレポートでは直近48時間の視聴数といった一部のデータを確認できますが、制度の高い分析には一定の時間を置いてからの確認が求められます。
データ分析は総合的・長期的に判断する
アナリティクスで取得できるデータは、前述の7つの重要指標以外にも多岐にわたります。再生回数など一つの値だけでは総合的な判断はできないため、複数の指標を見ることが成功への近道です。
また、季節変動、トレンド、イベントやYouTubeのアルゴリズム変更にも数値は影響されます。そのため、定期的に分析と対策をすることが重要です。
競合分析はできない
YouTubeアナリティクスで確認できるのは、自分のチャンネルに関するデータのみです。ほかのチャンネルの再生回数や視聴者属性などは取得できないため、競合分析には向いていません。
YouTubeアナリティクスは、YouTube初心者がまず自分のチャンネルの改善に集中するには十分な機能ですが、競合との比較や市場分析を行ないたい場合は外部分析ツールの併用を検討する必要があります。
YouTube動画の分析結果を活用しよう
YouTubeのチャンネル運営では、動画の企画から制作、公開、分析、改善までのサイクルを継続的に回すことが成果につながります。単に動画を公開するだけでは狙った効果を得るのは難しいため、分析と改善が不可欠です。
まずは、誰に向けてどのような情報を届けたいのか、そして動画を通じてどのようなアクションを促したいのかを明確に設定しましょう。また、動画公開後はYouTubeアナリティクスなどの分析ツールを活用し、狙った層に届いているか、目標に対する達成度はどうかを数値で評価することが大切です。
もし期待どおりの反応や成果が得られていない場合は、分析結果から課題を抽出し、改善策を立てて次の動画制作に反映させましょう。このPDCAサイクルを繰り返すことで、動画の質やパフォーマンスが向上し、チャンネル全体の成長にもつながります。
Shibuya MovieのYouTube動画制作事例
Shibuya Movieでは、YouTubeチャンネルや広告映像の企画・制作を通じて、企業やブランドの情報発信を支援しています。目的やターゲット層に合わせたコンテンツ設計と映像演出により、成果につながる動画制作を実現しています。
ここでは、特に注目を集めた制作事例を2件ピックアップしました。
株式会社キークエスト様
株式会社キークエスト様の事例では、美容・ダイエット検証バトル企画の第1話の映像制作に携わりました。オープニング映像では企画の趣旨や参加者の意気込み、チャンネルの強みを盛り込むことで、本編への期待感を高めています。
映像演出では、バトル感を伝えるためにスモークを使用し、サムネイルにも熱量を感じさせるデザインを採用。こうした視聴者の関心を引く工夫が功を奏し、累計再生回数としては11.6万回を超える実績を記録しました。
ベルリッツ・ジャパン株式会社様
ベルリッツ・ジャパン株式会社様の事例では、英会話教室・語学スクールへの新規入会促進を目的としたYouTube広告映像を制作しました。映像前半では、英語力不足により会議で思うように発言できずに困るシチュエーションをリアルに描写しています。
また、後半ではベルリッツの英会話レッスンの特徴を紹介し、ビジネス英語を強化したい層の共感とニーズに応える構成となっています。このような視聴者の感情に訴えるストーリー設計とブランドの魅力を伝える演出により、広告再生回数は100万回を突破しました。
まとめ
YouTube動画やチャンネルを効果的に成長させるには、目的やターゲットの明確化、データ分析、改善施策の実行が不可欠です。定期的な分析と改善のサイクルを回すことで、再生数やエンゲージメントの向上が期待でき、チャンネルの成果につながります。
単一の指標で判断せず、複数の観点から継続的にデータを収集・分析し、戦略的にチャンネル運用を進めていきましょう。
Shibuya Movieでは、シネマティックな映像表現と高い企画力で、企業のブランド価値や訴求力を最大限に引き出す動画制作を行なっています。商品・サービスの魅力を印象的に伝えたい方、他社との差別化を図りたい方は、ぜひShibuya Movieへご相談ください。
初めての映像制作の方にも、ご不安なくご利用いただけるよう制作の流れやご活用方法まで、
丁寧にご案内させていただきます。お客様の映像制作のゴールを達成するため、
企画〜撮影、完成まで専任チームが伴走いたします。



