2022年8月26日

最新の中国ライブコマース事情を徹底調査！中国の動画市場についても併せて解説

日本でも訴求目的のライブ配信＝ライブコマースがインスタライブなどをはじめとして徐々に認知を広げていますが、お隣中国では、今ライブコマースがとんでもない経済効果をあげているというのを皆さんはご存知でしょうか？
今回は中国のライブコマースをテーマとし、ライブコマースに関する基礎知識などを解説していきますので、ライブコマースという言葉に馴染みのない方は是非ご一読いただければと思います。

そもそもライブコマースって何？

ライブコマースとは、ネット上のオンライン配信で商品を訴求し、多くの場合その画面上で商品の購入、決済までをおこなうことができる、いわゆるテレビショッピングのオンライン版とも言うべきサービスの総称です。日本で最近見かけるのは、モデルなどのインフルエンサーが、ライブ配信上で化粧品やファッションアイテムなどの訴求をおこない、画面脇のボタンから購入画面に遷移するといったケースが良く見られます。ショッピングサイトのメルカリにも、出品者がライブ配信をおこなう機能がありますが、こちらもライブコマースをするための機能と言って差し支えないでしょう。あまりピンとこないという方は、ネット版のテレビショッピングをイメージしていただければ問題ありません。

中国のライブコマース事情と熱い理由

中国におけるライブコマースの盛り上がりは、2020年に約17兆500億円（一兆元）の市場規模であった事実がよく示しています。それ以降も右肩上がりに上昇しており、2025年には100兆円を越えるという試算も出されています。しかしながら、なぜこれほど中国でライブコマースが盛り上がっているのか。それは巨大な人口を有する中国という国の特性に相まみえ、昨今のコロナウィルスの世界的なパンデミックが影響していると言われています。

コロナ禍は世界的に見ても、ネット通販の市場規模を大きく膨らませた要因にもなっていますが、外出規制の厳しい中国では特にその傾向が強く現れたことがまず一つ挙げられます。もう一つは、日本のテレビショッピングにはないライブコマースならではの要素が、莫大な人口を誇る中国にハマったことが大きな理由となっています。

そのライブコマースならではの要素とは、ライブコマースの場合、購入希望者の数が増加すればするほど購入価格が下がるという、消費者にとっては構造的なメリットがあります。なぜかというと、配信者はいわば商品の卸問屋の役割を担っており、お勧めした商品の購入希望者が増えれば増えるほど、大量発注を生産者にかけることができる＝仕入れ値をディスカウントすることができるという、意外にもアナログな構造が背景としてあるからです。ですので、人口の多い中国では、ライブコマースで商品を購入することができれば、リアルの店舗で購入するよりも安価に購入できるケースが非常に多いのです。この構造を理解すると、中国という国にライブコマースが”ハマった”のも、皆さん頷けるのではないでしょうか。

中国のライブ配信プラットフォーム一覧

参考までに、以下に中国で実際にライブコマースがおこなわれている主なライブ配信プラットフォームを紹介します。

①bilibiliライブ

②淘宝直播（Taobaoライブ）

③抖音直播（TikTok）

④快手直播 KuaiSho（快手 ライブコマース）

⑤小红书（REDライブ）

⑥斗鱼（DOUYU）

⑦微信ライブ

まとめ

今回は中国のライブコマース事情について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。日本でも徐々にライブコマースは始まってきていますが、中国と比べるとまだまだその盛り上がりは序盤も序盤といったところでしょう。日本のライブコマース旋風の中心にポジションニングするチャンスはまだまだありそうです。しかしながら、中国でもそうであるように、実際に訴求をおこなうインフルエンサーの役割は非常に重要です。ある意味、もしあなたがインフルエンサーなのであれば、今中国で起きているようなことを、それ相応の責任や労力を背負うことができればたった一人でもおこなうことができます。ですので、ライブコマースは企業だけでなく、今後は個人の方も注目しておくべきと言えるでしょう。