映像制作・動画制作のコラム
2022年8月1日
倍速視聴がトレンド入り!倍速視聴が広がる背景や作り手が意識すべきことをまとめてみた
近頃、動画や映像を倍速視聴する方が増え、注目を集めています。倍速視聴とは、動画の再生速度を速くしたり遅くしたりカスタマイズして視聴することです。大手動画共有プラットフォームのYouTubeでは、再生画面上のボタンで動画の再生速度を最小0.25倍速から最大2倍速まで簡単に速度を変更して試聴ができ、また、ブルーレイ・DVDレコーダーなどにも、映像の速度を変更できる機能が搭載されている機種がたくさんあるため、このような楽しみ方は一般的になりつつあるといえます。
最近では、動画サブスクの大手のAmazonプライム・ビデオやNetflixでも再生速度を変更できるサービスを提供し話題になりました。しかし、動画の作り手からしてみると、このトレンドには賛否両論あるのも事実です。本記事では、倍速試聴が広がる背景や、動画の作り手が意識すべきことなどを解説します。
目次
驚きの調査結果!実際に倍速試聴をしている人の割合とは
2021年株式会社クロス・マーケティンググループが20代から60代までを対象に調査を行い発表したデータによると、倍速視聴の「経験あり」と答えた人は全体の34.4%でした。年代別に見てみると20代が他年代に比べ倍速視聴経験者の割合が高く、特に、20代男性は54.5%と半数以上が動画コンテンツを倍速で視聴したことがあるという結果となっています。
倍速で見たい動画コンテンツとしては「ドラマ」がトップとなり、その後に「ニュース・報道」「バラエティ」が続いています。年代別に見てみると20代女性は「YouTuberの企画動画(43.8%)」、50代女性は「ドラマ(43.8%)」が他世代に比べて高い傾向となっています。
この結果からわかるように、特に20代の若い世代には倍速試聴が一般的と言えるほど普及しています。中には、録画した60分尺のテレビドラマは大体5分程度で試聴完了するといった猛者もいるようです。
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なぜ人気?!倍速試聴が広がる背景
倍速試聴が広がる背景としては以下の点が指摘されています。
①動画コンテンツの供給過多
現在、私たちは歴史上もっとも多くの映像作品を、もっとも安価に視聴できる時代に生きています。NetflixやAmazonプライム・ビデオをはじめとしたサブスクサービスは、月々数百円から千数百円という安価で見放題。それに加え、従来からあるTVの地上波、BS、CSといった放送メディア、無料の動画配信サイトで観られる作品なども加えれば、映像作品の供給数はあまりにも多く明らかに供給過多と言えます。次々と公開される話題の作品をチェックすることに追われ、時間が足りないという状況に陥ってるのです。
②コスパを愛する若年層
さらに、映像メディアの競合は、他の映像メディアだけではなくTwitterやインスタグラムも競合相手と言えます。話題にはついていきたいけど、観るべき作品もチェックすべきSNSも多すぎて、とにかく時間がない。それを解決するのが「時短」なのです。つまり映像作品の供給過多と、無駄=「コスパが悪い」ことを嫌う若年層の価値観がリンクし、倍速試聴が定着しつつあることの背景として考えられます。
作り手が意識すべきこととは
この状況を踏まえ、倍速視聴が定着しつつある若年層に向けた動画コンテンツを作る際、意識すべき点をご紹介します。
①倍速で視聴されても要点を伝えられる動画制作を意識する
例えば細かくテロップを入れたり、セリフを通して状況を説明するなど、倍速で見ても提供する情報が減らないような演出を考えることで、倍速視聴に応じることができます。
②倍速視聴では味わえない良さを検討する
時短やコスパが注目される時代ではありますが、一定の時間をかけてこそ得られる情報や感動を再考するタイミングでもあると言えます。現に、「時間を忘れて見てしまった」などの評価を受ける映像作品は今なおたくさんあるのです。コスパ重視の時代のカウンターとなるような動画制作を検討してみるのも良いかもしれません。
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